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虐殺の宴、瘴気の花
カナによる大虐殺が始まった。村の家々が、次々と炎に包まれる。叫び声が、夜の空に響く。カナの剣が、血に染まり、村人たちの体を切り裂く。子供の泣き声、老人の嘆き――すべてが、闇の糧となる。
カナは血に染まった手を見つめ、息を荒げた。指の間から、赤い雫が滴る。胸の棘が、満足げに疼きを残す。『もっと...もっと殺せ...』 囁きが、耳に絡みつく。
「もっと...もっと殺さないと...私は救われない...」
『だから他の街へと旅立とう』 声が、優しく促す。花弁は、優雅に開き、甘い香りを放つ。
カナは血まみれの剣を鞘に収め、狂った笑みを浮かべた。村の炎が、彼女の顔を赤く照らす。
「次は...どこの街を襲おうかしら...」
『私は魔王の瘴気にやられたりなどしていない。正義の為に戦っている』 正義の仮面が、闇に塗り替えられる。
カナは狂った笑みで、村の外へ歩き出した。瘴気の霧が、彼女の足元に絡みつく。
「そう...全ては正義のため...次の街へ行きましょう♡」
勇者の剣は、今や魔王の刃と化していた。カナの心に、闇の花が咲き乱れた。