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かつて救世の勇者転生、あるいはいずれ滅世の魔王降臨 ~王立学院の呪眼能力者~  作者: Sin Guilty


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第45話 『放課後の迷宮攻略』①

 肚の底に低く響く爆裂音。


 たった一閃しただけで魔物(モンスター)――地上では6人パーティーで1体と対峙するのが定石(セオリー)と言われている中型の翼竜3体が、例外なく絶命してすっ飛んでいく。


 俺の呪眼に宿るすべての能力(スキル)の一つである『蓄積値増加』は最大まで強化した場合、一定の攻撃を重ねれば発動する武器そのものが持つそれぞれの特殊効果――爆裂や気絶、睡眠、毒、麻痺を初撃で必ず発動、かつ敵の耐性値が蓄積されないという特殊能力が付与される。


 もちろん能力(スキル)はその特殊効果ごとに存在しており、本来は装備する武器に合わせて適正能力を発動させる魔導球(スフィア)を付け替えることになる。


 俺の場合はすべて呪印に溶かし込み済みなので必要ないわけだが。


 ゲーム時代、協力プレイ時に全員がこれ系の能力(スキル)を最大値にしたプレイヤーだった場合、魔獣が気の毒になるくらいのファーストアタックを仕掛けられていた。


 特に全員が麻痺だった場合が酷かったことは言うまでもない。


 おかげでDLCで追加された新魔獣、亜種、特殊個体はその(ことごと)くが麻痺無効、あるいはかなり強い耐性値にされていたことは当然の処置だとしか言えないだろう。


 あとは地味に戦闘開始直後からずっと敵の体力を削り続けることが可能な毒がエグい。『蓄積値増加』を最大にしている毒武器は、よほど手数が少なくない限りは仕留めるまでずっと毒状態にしておくことも容易い。魔獣の体力が膨大になればなるほど、割合継続ダメージ(DoT)はバカにならないのである。

 加えて麻痺と違って追加された魔獣すべてに通ったこともあり、協力プレイ時に毒属性遣いが1人いてくれるととてもありがたかった。


 まあそんなことは関係なく、今の俺の得物(エモノ)は最上位希少度の一振りである『帷祓暁刀とばりはらいあかつきとう』――爆裂属性における最強太刀だ。


 爆裂――火属性のようにも見える赫黒いエフェクトをしているが、発動する(たび)にどんな属性の相手であっても常に一定の固定ダメージを与えるという特性を持っている。

 割合ダメージではないので魔獣の体力が増えれば増えるほど相対的な効果は低くなるのだが、ゲーム時には武器の希少(レア)度が高くなるに併せて固定ダメージも増大させることで対応していた。


 ちなみに最上位希少度であるこの『帷祓暁刀』の爆裂固定ダメージ値は3,000である。

 最上位希少度の爆裂太刀はすべて同じ3,000なのだが、この『帷祓暁刀』が爆裂属性最強と見做されているのは、その突出した基礎攻撃力が(ゆえ)である。


 そりゃまあ魔獣の体力が二桁、三桁の万単位となってくると、『爆裂蓄積値増加』を上限値にしても攻撃を10回当ててやっと3,000しか追加ダメージを与えないので、爆裂によるダメージなどぶっちゃけてしまえば誤差に過ぎなくなる。

 毒が割合ダメージを継続して与えるのと比べれば、ゴミ扱いされても仕方がないのだ。


 ただその同希少度(レアリティ)の無属性武器とほぼ同等、物によっては凌駕するほどの基礎攻撃力を持っていたので、固定ダメージはおまけ程度であっても爆裂武器は汎用としては相当優秀だったのだ。中でも『帷祓暁刀』は同じ作成可能タイミングの無属性武器最強を遥かに凌駕する基礎攻撃力を持つぶっ壊れであり、よって高難易度における掘り用スコップとして愛用している太刀遣いは多かった。


 逆に状態異常付与系の属性武器は基礎攻撃力がかなり低く設定されており、協力プレイ時に一人いてくれるとうれしいくらいの調整になっていた。同じく攻撃の度に属性ダメージが都度追加発生する他属性も基礎攻撃力は低いのが当然だった。

 とはいえすべての属性の最強武器はそれぞれ同属性の中ではぶっ壊れといっても過言ではない基礎攻撃力を有してはいるのだが、その中でも爆裂属性は突出していたのである。


 だが現代の魔物(モンスター)の体力はゲーム時代よりもかなり低く、地上に湧出(ポップ)している個体では数値に換算して500を超えているものは俺の知る限り存在していない。すでに王立学院が管理している訓練用迷宮(ダンジョン)の12階層にまで俺たちの攻略は及んでいるが、そこに湧出している個体であってさえ、どれもみなまだ1,000にも遠く及ばないのが実状である。


 つまり今のところ俺の『呪印』と『帷祓暁刀』の組み合わせの前では、全ての魔物は(すべか)らく一撃必殺なのである。


 俺もユージィンも通常の斬撃で与えるダメージもまた1,000程度であれば楽に超えているので、一撃必殺なのは今の段階では俺だけではなくユージィンも同じである。


 また俺の『太刀』とユージィンの『大剣』は、横斬りをはじめとした多くの型がかなり広範囲に複数同時攻撃判定を持っているので、今のように一閃で複数を消し飛ばすことも楽にできる。


 それに加えてシャルロットの固有唯一(ユニーク)魔法『瞬間転移』で次々と刃圏に魔物たちを集めてくれるので、なんかもう戦闘というよりも刈り入れ作業のような感じになってしまっていることは否めない。


 パーティーを組んでいる魔法遣い2人――シャルロットとクロードが最近は慣れてきているとはいえ、それでもドン引きしてしまうのもまあ無理はないだろう。


「魔力の回復が完了したぞ」


(わたくし)も行けます」


 そんな風にして俺の感知可能領域の魔物(モンスター)を一掃した時点で、そのクロードとシャルロットの魔法遣い2人から、再度攻撃魔法が発動可能となったとの報告が入った。


「では魔力が尽きるまではお2人にお任せします」


 その声を受けて後方を護っていたユージィンがそう答え、素早くクロードの側へ移動を開始している。


「こっちも了解、直衛体制にシフトする」


 俺もそう宣言して前線からシャルロットの位置まで戻り、魔法遣い陣の弾幕を搔い潜ってきた場合、あるいは運悪く大量の魔物が敵意共有(リンク)してしまって襲い掛かってきた場合に備える。


 これで2人の魔力が尽きたら前線での掃滅役と後方警戒役を俺とユージィンが交代し、それを繰り返して地図化(マッピング)しつつ探索を進めるのが、ここしばらくの迷宮攻略におけるルーチンとなっているのだ。


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