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プロローグ
この作品は「偶然という名の奇跡」というシリーズの続編です。全作を見なくとも楽しむことは出来ると思いますが、より楽しんでいただくために、前作からどうぞ。
さて。最近ようやく事件に巻き込まれる変態体質なのではないかと考え始めた俺だったのだが、よくよく思い直してみれば、過去に扱った事件はそう事件性の高いものではなかったような気がする。夏休みのほとんどを使う羽目になった前回の事件は、久々に事件性の高いものであったと言えると思う。笹倉の事件以来の警察が出動した事件だったからな。
それで、今回のことだが、今回も大して事件性の高いものではない。ただ、面倒だった。一つ言わせてもらうと、事件性が低いから簡単かというと、そうではないのだ。事件性云々なんて知るか。俺の中で一番重要なのは俺の主観である。なので、面倒であれば俺にとってはどれも大事件なのだ。異論は認めない。
そろそろ愚痴めいてきたので、物語を始めたいと思う。今回もまだ、夏休みの話である。