97.許さない
「俺たちはここで降ります! 御者さんも早く逃げてください!」
やっと王都内城下町に入った俺たちは慌てて馬車から飛び降り、御者さんに外へ逃げるよう促す。
町は喧噪に包まれており、数多くの人間が外へ出ようとしていた。
兵士たちが避難誘導をしている。
「爆発は……あそこよ!」
アンナが爆発した方角を指さし、慌てた様子で俺の手を握る。
「早く行こう! これ以上は……だめ!」
「分かっている! エイラも大丈夫だな!?」
「もちろんです……! 行きましょう!」
まだ町内部で爆発したのは一カ所だけだ。
煙が上がっているのは恐らく……時計台からだろうか。
時計台と言えば、王都の中心の広場である。
あんな場所を狙われたら、怪我人だって出ている可能性があるだろう。
「これ以上は……っ!?」
刹那、正面の家屋から爆発音が響く。
爆風に体が押し倒され、俺は地面を転がった。
「大丈夫!? きゃっ……!」
「精霊よ、我々を守りたまえ――《城壁》!」
更なる爆発が発生する直前に、エイラが正面に壁を生成した。
アンナは転げてしまうが、防御魔法によって怪我は負っていないようである。
俺はどうにか立ち上がり、アンナに手を差し出した。
「あ、ありがとう」
「気にすんな。……っていうかマジかよ」
「ひ、酷いです……」
爆発した家を見て、俺は言葉を失ってしまう。
こんな……関係のない人まで巻き込みやがって……。
「絶対……許さねえ……!」
拳を握り、唇を噛みしめ。
俺は憎しみを叫ぶ。
「ミスリルと火薬を調合した精霊火薬ってのは素晴らしいものだなぁ。そうは思わないか? リッターさんよぉ?」
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