96.音
「……もう少し掛かるって! 夕方なのに!」
アンナが御者に確認を取ったようで、汗を滲ませながら俺たちに伝える。
洞窟内でアグのしようとしていることが発覚し、急ぎで王都に向かっているが……あまりにも距離が離れていた。
もう外は夕方。
とうに明日は来てしまって、なんなら日が沈もうとしている。
「御者さんは何か言っていたか? 恐らく王都とは連絡が取れる魔道具は持っているだろう?」
「うん。一応確認は取ってみたらしいけど、まだ何も……だけど!」
「分かってる。時間はないからな」
冷静であろうとしてはいるが、俺は明らかに動揺している節があった。
アグが本当にしようとしているのかは分からない。
だけど……過去のことを鑑みるとおかしくはないことだ。
「王都が見えてきました……! そろそろです!」
エイラが窓の方を見て立ち上がった。
どうやら王都までもう少しのところまで来たらしい。
「御者さん! 急いでください! お願いしま――」
エイラが叫ぼうとした刹那のことだった。
「なんだ……今の音……」
何か、爆発音のような物が鼓膜を震わせた。
俺は半ば呆然としていたのだが、エイラが更に声を出した。
「何かが爆発しました……! や、ヤバいです……!」
「は……!? 本当かよ……!?」
慌てて窓の方を見ると、確かに王都からは煙があがっていた。
本当に……やりやがった……!
「御者さん! 急げ! いいから早く!」
すみません……!体調不良で1日投稿をお休みしておりました……!
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