94.欠片(イダト視点)
「なんだそれ……? 何か……石の欠片か?」
ネックレスの先には、石の欠片のようなものがくくり付けられていた。
何の変哲もない、ただの石にしか見えない。
秘密兵器と言うにはあまりにもちゃちだ。
お守り程度のものを秘密兵器と言われても反応に困る。
「お前は分からないか。しかしこいつはすごくてね、持つだけで半端じゃないほどの力を扱えるようになる」
「これがか? 何かの魔法石とか……には見えないけれど」
疑問であった。
こんな石の欠片を持つだけで、半端じゃないほどの力を扱えるようになるだとか。
正直信じられない。
「大マジだぜぇ? どんな素人でも、たちまち賢者のような力を使えるようになるんだ」
そう言って、アグはイダトにネックレスを投げ渡す。
イダトは受け取る――瞬間のことだった。
「……!? なんだ、これ」
ネックレスを握った途端に、体の奥底が熱く震えるのが分かった。
信じられないことなのだが……今まで感じたこともないような力を感じる。
イダトは驚いた表情を浮かべていると、アグはにやりと笑った。
「すごいだろ? お前にやるよ。だからしっかり働いてくれよぉ?」
アグはくつくつと笑いながら、ちらりと窓の外を眺める。
そろそろ王都だ。
倣うように外を眺めると、王都の街並みが見えてきた。
今から、自分は復讐をするんだ。
「さぁ、気合いを入れていこうぜ。せっかくの復讐なんだ。楽しまなくちゃあもったいないぜ?」
「ああ……感謝するよ。アグ」
【夜分からのお願いです】
・面白い!
・続きが読みたい!
・更新応援してる!
と、少しでも思ってくださった方は、
【広告下の☆☆☆☆☆をタップして★★★★★にしていただけると嬉しいです!】
皆様の応援が夜分の原動力になります!
何卒よろしくお願いします!




