93.考え(イダト視点)
「お前……アグって言ったか。お前はどうして僕なんかに手を貸すんだよ」
イダトは王都へと移動する馬車に乗り、正面に座っている男――アグに声をかけた。
アグは楽しそうに笑みを浮かべながら足を組んでいる。
自分に対して上からな姿勢に関して言えば、心底ムカついてしまうが今は諦めもついていた。
「良い質問だな。確かに、底辺にまで落ちたお前なんかに手を貸すだなんておかしな話だ」
「……ちっ」
イダトは舌打ちをつき、背持たせに体を預ける。
「さっきも言ったが、オレは王都を破壊したくてね。理由は……復讐だよ。そういう意味ではお前と同じだな」
「なんで破壊なんか」
正直、イダトにとって理由だとかは興味がなかった。
強いて言うなら反射的に出てきた言葉であり、社交辞令のようなものである。
「そっちの方が燃えるだろ? せっかくの復讐なんだ。一発大きな花火を上げたいとは思わないか?」
「趣味が悪いな。だが、悪くはない」
イダトは大きく息を吐き、腕を組む。
王都の破壊……まあそれがもし成功するのならば、自分にもメリットはある。
なんせ、王都はリッターが拠点としている場所なんだ。
きっと、リッターにとって大切な人もそこに暮らしているだろう。
破壊できるのならば……嬉しくないわけがない。
「しかしどうするんだ。王都の破壊だなんて……正直無茶な話だとは思うんだけど」
当然の疑問である。
簡単に言っているようではあるが、場所は王都なのである。
そこら辺の村を破壊するのとはレベルが違う。
「ミスリルと火薬を合わせた精霊火薬を使用する。だけれど、それだけじゃ少し心細いから――秘密兵器があるんだよ」
アグはにやりと笑い、一つのネックレスのようなものを取り出した。
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