表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/111

9.緊急

「君をスカウトした理由。これを話さないと何も始まらないわ」


「俺をスカウトした理由……か。確かに聞いてなかったな」


 確か『特殊な人間』が欲しかったとか言っていたような気がする。


 俺が特殊な人間に該当するかは分からないが、ともあれ何かワケがあって俺を誘ったんだろう。


「私たちは国家直属の冒険者になりたいの。世間ではそういう人たちを勇者だったり賢者って呼んでいるわ」


「国家直属って……かなり難しいことなんじゃないのか?」


「とっても難しい。私たちも頑張ってSランクになったけど、それでもまだまだって感じ」


 王都のギルド一の冒険者がまだまだってことは、多分相当な難易度なのだろう。


 でも俺が仲間になってもあまり変わらないような気もするが……。


 そんなことを考えていると、ぎゅっとアンナが手を握ってくる。


「あなたが希望なの。きっと、私たちは直属になれる」


「リッター様は魔法ですから……賢者とかにも本当になれるかもしれません。いえ、絶対になれます」


 賢者、か。


 俺はあまりよく分からないけれど、彼女たちには恩がある。


 実際に魔導書をくれたし、俺に居場所なんてなかったから色々と助かっている。


 手を貸さないって選択肢はなかった。


「俺が希望になれるかどうかは分からないけど、よかったらお手伝いさせてくれ。魔導書をくれたお礼もしたいし」


「ありがとう!! やっぱり君は最高だよ!」


「ですです! リッター様最高!」


 あはは……大げさだなぁ。


 でも認めてくれるのは嬉しい。


 前世も今世も、認めてくれる人なんていなかったから。


 少しでも頑張ろう。


 誰かの役に立てるように。


「それじゃあ――」


 アンナが俺に声をかけようとした瞬間のことだった。


「アンナさん! 大変です!」


 訓練場に慌てて入ってくる女の人が見える。


 服装からして、受付嬢さんだろうか。


「依頼に向かった冒険者から緊急の連絡が届きました! どうやらAランクのオーガに襲われて壊滅に近い被害を受けているようで……! 帰還することも困難らしく!」


「なんですって!? 死者は出ていないのよね!?」


「今は出ていません! とにかく、頼りになるのはアンナさんたちだけなんです! ……お願いできますか?」


 どうやらかなりヤバい状況になっているらしい。


 アンナがこちらに振り向き、行けるかどうか聞いてくる。


 だけど聞かれるまでもない。俺の答えは決まっている。


「俺も行きます! 何か手伝えることがあればなんでも任せてください!」


「いい返事、ありがとう。エイラ、行こう!」


「はい!」


 よし……迷惑かけないように頑張ろう。

【夜分からのお願いです】


・面白い!

・続きが読みたい!

・更新応援してる!


と、少しでも思ってくださった方は、


【広告下の☆☆☆☆☆をタップして★★★★★にしていただけると嬉しいです!】


皆様の応援が夜分の原動力になります!

何卒よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ