89.扉
俺が先を見据えながら言うと、アンナたちも倣うように眺める。
「確かに明かりだね。警戒した方が良さそう」
「ですね。万が一……のことだって、この場所ならありえると思います」
そう言いながら、アンナは剣に手を当てる。
確かにそうだ。ここは魔人族が逃げ隠れた場所。
特にここまで魔人族が潜んでいるであろう証拠が挙がっているのだ。
油断なんてする暇はない。
俺もふうと息を吐いた後、覚悟を決める。
「行こうか」
明かりがある方向へと進み始める。
どうやら、壁に魔力で動くランプがいくつか立てかけられているようだ。
しばらく進んでいると、一つの扉が現れた。
「こんな場所に扉があるなんてな。さて……」
俺は扉に背中を預け、いつでも魔法を発動できる準備をしておく。
アンナも剣を引き抜き、俺の隣に立った。
「この先にいる可能性は大いにあります。わたしも準備はできました」
エイラは扉に耳を当てて、目をつぶる。
「音は……聞こえませんね。ただ、わたしたちが侵入したのがバレているのであれば……罠の可能性だってありえます」
「だよな。まあ開いてみたら分かることだ」
そう言って、ドアノブに手を当てる。
「行くぞ……!」
俺は声を殺し、二人に合図を送る。
同時に、勢いよく扉を開いた。
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