85.照れるじゃないか
相手はドレイク。
俺にはトカゲのようにも見えるが、ともあれ今は関係ない。
「《獄炎》」
そう口ずさむと、目の前に巨大な魔法陣が生成される。
突然の出来事にドレイクは明らかに動揺を呈している様子だったが、反応するころにはもう遅い。
俺の魔法は既に発動している。
赤く輝く魔法陣は、次第に高速に回転を始め、そして轟音とともに炎を発した。
「ははは……これはすげえや」
しかもただの炎ではない。
まるで生き物のようにうねり、ドレイク一体を包み込んだ。
そして、一気に収束する。
――ギュイイイイイ!?
ドレイクは悲鳴を上げるが、しかし炎の勢いは止まらない。
名前の通り、まるで地獄の炎のようにドレイクを苦しめ、最後の最後には絶命した。
「ありゃ……まだ《雷電》が残っているんだけどな……やっぱこの魔法強すぎないか?」
俺は頭をかきながら、ドレイクを確認しにいく。
うん。確かめてみたが、確実に絶命しているな。
ひとまず討伐完了である。
「……あれが炎の最上位魔法なのね。これを扱えるだなんて、リッターは化け物ね」
「それに《獄炎》はかなりの詠唱時間を要します……普通ならば正直……戦闘には向かない魔法なはずなのですが……」
二人が何かぶつぶつと考えた様子で呟いている。
あれ、何かおかしなことでもしてしまっただろうか。
「どうしたんだ?」
尋ねると、アンナたちはお互いの顔を見てこくりと頷く。
「リッターが化け物すぎるって話をしていただけよ!」
「最強ですね! さすがはリッター様です!」
「はははやめろよぉ照れるじゃないか」
彼女たちと長いことやってきているので、褒めは素直に受け取れるようになってきた。
昔の俺ならば、色々と考え込んでしまってきたところではあるのだがな。
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