83.洞窟探索
「なんだか普通……って感じだな」
ルドック洞窟前までやってきて、第一に感じたことはそれだった。
禍々しい雰囲気が漂っているわけでもなく、それに危険な何かが住み着いているわけでもない。
今回は『ルドック洞窟へ向かう』という目的があったから分かったが、何も目的もなく通り過ぎたら気にもとめないだろう。
「本当にここなのか?」
俺が尋ねると、アンナがこくりと頷く。
「ここで合ってるはず。しっかり地図も確認したし、何よりここら辺に詳しい御者さんがここだって言っているのだから間違いないわ」
正直、俺は未だに信じられないといった具合なのだが。
ともあれ、実際にそうらしいからこれ以上疑いようがないけれど。
「魔力もあまり感じませんね……危険な場所って危ない魔力がぷんぷんしますから……」
「なるほどな。この様子だと普通の洞窟だって評価されてもおかしくない、か」
俺は大きく息を吐いた後、腰に手を当てる。
「とりあえず行こう。何もないってわけじゃないだろうしさ」
「そうだね。行こうか」
「行きましょう……!」
そう言って、内部に入ることにした。
中はというと、薄暗くジメジメとしている。
なんだか気味が悪い場所だ。
「……この辺りは人間が生活している場所とも離れているから探索された形跡はない、って思っていたんだけども」
「明らかに人が探索した跡がありますね……魔人族の物かは分かりませんが、何かはありそうですね」
明らかに何者かが入った痕跡がある。
それも、以外と新しいものにも見える。
俺は訝しみながら眺めていたのだが。
「待って。何か奥から音がした」
アンナが剣に手を当てて、ぼそりと呟いた。
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