79.内容
「一応、まだ俺の体力的に言えば魔法は覚えることができるんだよな」
前回ぶっ倒れた時に覚えた魔法は三つ。
あの時は本当に死にかけたが、それによって自分の限界も理解した。
現状、俺が一日に覚えていいのは二つの魔法だ。
だから、まだキャパ自体は残っている。
「それじゃあもう少し魔法を探してみる? と言っても、無理はしすぎないようにね」
「もちろんだよ。俺も前みたいにぶっ倒れるのはごめんだ」
アンナたちにも迷惑をかけてしまったし、本当に気をつけなければならない。
以前の俺とは違うのだ。
今は心配をしてくれる仲間がいる。
「他はどんな魔法がいいですかねぇ……良い感じのやつを探してみますか」
エイラは魔導書の背表紙をなぞりながら、むむむと唸る。
俺も一応探してみようかと、魔導書を眺めてみた。
やっぱり……何を書いているか分からないけれど。
「回復系を覚えましたから、次は攻撃系のやつがいいですかね?」
「そうだな。特に《スラッシュ》の上位魔法を覚えたいところだ」
現状、俺が持っている魔法は《スラッシュ》以外どれも強化は成功している。
新規の魔法を覚えたい気持ちもあるが、ここは均等に行きたいところだ。
「《スラッシュ》の上位魔法上位魔法……んん?」
「あったのか?」
「いえ……」
エイラが指を止めて、小首を傾げる。
なにやら気になるものがあったようだ。
俺はちらりとエイラが見ている魔導書を見てみる。
「……魔導書か? これ?」
そこには、背表紙が削られて題名が分からない書物があった。
パッと見た感じ、かなり古いものに見える。
「なんですかね、これ。ちょっと見てみますか」
エイラはそう言って、古びた本を手に取ってみせる。
「えーと」
中身を確認するため、パラパラとページをめくっているようだったのだが。
「これ……魔導書じゃないですね。何か歴史を記している本……ですかね?」
「魔導書じゃないのか。誰かが適当にここへ戻したのかな」
そんなことを言いながら、俺は書物を覗き込む。
「ちなみにこれはどんな内容のものなんだ?」
「これは……魔人族のもの……ですね」
……魔人族だって?
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