74.魔改造計画
服屋散策というものは、色々と大変なものだと聞いていた。
特に漫画やアニメでは顕著だったように思う。
ともあれ、俺にとってはそれはあくまで二次元の話であったが、今回の件を通して改めてこれがマジだったことを理解した。
「はぁ……はぁ……!」
「なんか息が上がってるよ?」
「まだまだこれからですよ!?」
俺の体は限界を迎えていた。
数々の服選びという試練を乗り越えていると、もうボロボロになってしまっていた。
何を選んでも「なんか違うかも!」と言われたら、もう泣きそうである。
「まあ、リッターのおかげで良い感じの服が選べたよ!」
「ありがとうございます! 色々と付き合ってもらっちゃいました!」
二人が満足そうに笑う。
……こう笑ってくれたら、少し頑張ってみてよかったと思える。
それに、二人が手に持っている服はどれも可愛いものだ。
普段着を着る機会が少ないからあれだけど、可愛い服を身につけた女の子を見れただけでもよしとしよう。
「いいんだ……! 楽しそうで何よりだよ!」
俺は汗を拭いながら、グッドサインを送る。
「あ、リッターは服とか見る?」
ふと、アンナが思い出したかのように聞いてきた。
服か……そういえばろくに持っていなかった。
てか、ずっと追い出された時に着てきたものを使っている。
せっかくなので、何か見てみてもいいかもしれない。
それに、女の子と服選びをするってなんかいいなぁって思うし。
「アンナたちがよければ俺も見ようかな。……と言っても、俺は全く服とか分からないんだけど」
俺の服知識なんて、長袖半袖半ズボン長ズボンといった小学生のような知識しか持ち合わせていない。
まあ……そんなことは恥ずかしくてアンナたちには言えないんだけど。
「ふふん! わたしたちでリッター様を魔改造しちゃいましょう! 良い感じにしちゃいますよ!」
「いいねそれ! リッター魔改造計画! 発令しちゃおっか!」
リッター魔改造計画か。
実に面白そうじゃないか。
よく前世では動画配信サイトで地味系の男子を魔改造する動画とかが流れてきたのを思い出す。
俺もついに魔改造されちゃうのか……!
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