72.おっ買い物!
「おっ買い物! おっ買い物!」
「なっのです! なっのです!」
「ご機嫌だな二人とも」
俺は珍しくご機嫌な二人を見て、少し笑ってしまう。
ここまで機嫌がいいのは、少し初めて見たかもしれない。
というか……まあ二人は何かと冒険者業のことをずっと考えているイメージがあったから意外だった。
なんていうか、すっごく女の子っぽい。
俺は二人がスキップをしながら歩いている後ろを、急ぎ足で追いかける。
「お買い物って何をするんだ? っていうか、この辺り陽の気配がして息が詰まりそうだ……」
王都に来てからかなり時間が経ってはいるが、ここに来たのは初めてだ。
主に店はオシャレな飲食店や洋服屋、なんかキラキラした店がたくさんある。
前世でもこんな場所には行ったことがないし、寄りつこうと思ったこともない。
「服を見たくてさ! 実際こういうことはあまりしないんだけど……ほら。今回は私たちも色々頑張ったじゃない?」
「そうです! リッター様のために頑張ったのでご褒美と行きたくてですね!」
「まあ……確かにそうだな。でも……俺は……場違い感あるなぁ……」
俺は周囲にいる女性の皆様方を見て、体を震わせる。
みんな、オシャレだ。
前世の高校時代、キラキラとした同い年の女の子に怯えていたのを思い出す。
俺は根っからの陰キャだからな。
「意外と楽しいかもしれないよ? ほら、チャレンジすることは大切だし」
「そうなのか……?」
「そうですよっ! リッター様もなんだかドキドキワクワクしてきませんかっ!?」
エイラがばっと腕を広げて見せて、目を輝かせる。
ドキドキワクワクかぁ……。
俺はもう一度、周囲のお店や人々を見てみる。
……やっぱり俺とは違って陽キャばっかだ。
オシャレな人ばかり……。
俺が返事に困っていると、アンナが突然手を握ってきた。
「もう! まあ行けば分かるか!」
「え、ええ!?」
「向かうのです!」
俺はアンナに腕を引っ張られながら、とある店に入ることになった。
【夜分からのお願いです】
・面白い!
・続きが読みたい!
・更新応援してる!
と、少しでも思ってくださった方は、
【広告下の☆☆☆☆☆をタップして★★★★★にしていただけると嬉しいです!】
皆様の応援が夜分の原動力になります!
何卒よろしくお願いします!




