表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/111

7.プレゼント

「話は聞いていますよ! リッターさんは魔法を無詠唱で発動できるとか!」


「うん。でも俺が扱える魔法は全部弱いけどね」


「ドラゴンを倒したって聞きましたが……?」


「たまたまだよ」


 俺が苦笑しながら首を横に振ると、エイラがむむむと唸る。


「む~……アンナさん。やっぱりこの人は天才ですよ」


「無自覚ってところが天才っぽさを引き立てているね……」


 いやいや、無自覚ではないと思うんだけどな。


 だって実際俺はこのスキルで追放されたのだから、世間からの評価は分かりきっている。


 まあ彼女たちが褒めてくれるのは嬉しいんだけど。


「ところで、二人は何者なんだ? さっき絡んできた男が一声で逃げていくって相当だろ」


 それはそれで、さっきの現象が気になって仕方がない。


 二人は一体何者なんだ?


「えっとね、私たちはSランク冒険者って立ち位置なの。まあ~このギルドに所属している冒険者では一番偉いって感じかな」


「マジで……? そんなすごい人たちが俺のことを勧誘しているの?」


「そうそう! 自信持ってくれていいんだからね~!」


「ですよ! リッター様はすごいのです!」


 あはは、なんか照れるな。


 でもすごいのは俺じゃなくて彼女たちだ。


 なんだか恐縮してしまう。


「で、パーティに入ってくれる?」


 アンナが顔をぐっと寄せてきて聞いてくる。


 正直、俺に断る理由なんてない。


 彼女が提案してくれた条件は魅力的だし、俺がしようとしていた目的に合致する。


 それに……二人が可愛いし。


 前世自宅警備員だった俺にとっては、とてもいい話だ。


「もちろん参加させてくれ。でも……あまり期待しないでくれよ?」


 俺が恐縮しながら言うと、二人はくすくすと笑う。


「大丈夫大丈夫! 私たち信じてるから!」


「信じてますよ!」


「……恥ずかしいな」


 だけど仲間ができて内心は嬉しい。


 転生しても苦労ばっかだったけど、少しは報われるといいな。


「それじゃあ! 早速参加してくれたお礼をしないとね! エイラ!」


「もちろんです! ええと……」


 アンナが視線をエイラに向けると、彼女はバッグの中に手を入れる。


 ガサゴソと捜し物をしているようだ。


「あ、ありました! これプレゼントです!」


「おおお! 魔導書じゃないか! 本当にくれるのか?」


「いいよ! なんなら、これからもっとあげちゃう!」


「いくらでもプレゼントしますよ!」


 マジか……! 俺なんかのために魔導書をくれるなんて……!


 家族は俺に何も与えてくれなかったからな。


「これ、早速試していい?」


 早く魔導書を読んで、記憶してみたい。


 俺のスキルがどれほど可能性があるのか試してみたい。


「いいよ! 私も君の能力が見てみたいし!」


「ギルドに頼んで訓練場を借りましょうか! ちょっと行ってきますね!」


 そう言って、エイラが受付嬢さんに交渉をしに行った。


 しかし楽しみだ。前世は勉強なんかしてこなかったけど、この世界だと色々と楽しいものだな。

【夜分からのお願いです】


・面白い!

・続きが読みたい!

・更新応援してる!


と、少しでも思ってくださった方は、


【広告下の☆☆☆☆☆をタップして★★★★★にしていただけると嬉しいです!】


皆様の応援が夜分の原動力になります!

何卒よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ