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【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部六章

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69.覚えていろよ

「リッター……! はは……! お前にさ、最後のチャンスをやろうと思うんだ……!」


 イダトはにやにやしながら、俺の肩を揺らす。


 どこか懇願するような表情を浮かべて、呟く。


「僕の家に……戻らないか……! 今なら父上にも良い感じに言ってやるからさ……! な……? な……?」


 どうやらまだ俺に、家へと戻るように言っているようだ。


 一体今更どういった理由で言ってきているのか。


 どうして、イダトはこんなに必死なのか。


 アルタール伯爵がギルドに帰還するように伝えたレベルだから、恐らくイダトは何か言われているのだろう。


 だけど。


 今更、イダトにどんな事情があっても俺には関係ない。


 もうアルタール家の人間ではないし、向こうから俺を追い出したんだ。


「さっきも言っただろ。俺は戻らない。イダトにどんな事情があろうと、俺は絶対に帰らない」


 イダトの腕を掴み、払いのける。


 すると、イダトは顔を真っ赤にしてみせて唇を噛んだ。


「……なんでだよっ! お前さぁ――」


「いい加減にしろ。あまり強くは言いたくないが、お前は負けたんだ。これ以上俺にどうしようって言うんだ?」


「……それは」


「帰れ。これ以上は俺も嫌なんだ。帰ってくれ」


「帰りなさい。ここにあなたの居場所はないわ」


「見てください、周囲の皆さんを。あなたのことを冷ややかな目で見ていますよ」


 そう言われ、イダトは周囲を見る。


 いつの間にか、訓練場にも冒険者が集まっていたようだ。


「あ、ああっ……ああっ……! 見るなァ……! 僕……そんな目で見るなァ……!」


 手を震わせながら頬に当て、目を見開いて周囲に叫ぶ。


 だけど、誰もイダトのことを心配しない。


 ただただ、冷たく見据える。


「たっく」


 一人の冒険者が痺れを切らしたのか、声を上げた。


「かーえーれ! かーえーれ!」


 すると、こだまするように他の冒険者たちもが声を上げ始めた。


「「「かーえーれ! かーえーれ! かーえーれ!」」」


 五月雨のように降り注ぐ帰れコール。


 次第に声も大きくなっていき、誰もがイダトのことを敵だと認識した。


「っ……リッタ-……!」


 声を震わせながら、イダトがこちらを睨めつけてくる。


「絶対……お前は殺す……覚えていろよ……! お前だけは……絶対に殺してやる……!」


「その時は全力で抵抗してやるよ」


「……っ」


 イダトは舌打ちをして、急ぎ足で訓練場から出て行く。


 俺は彼の姿が見えなくなるまで眺めた後、大きく息を吐いた。


「やっと出て行ってくれたか……」


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