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【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部六章

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61.嫌だよぉ……

「もう少し魔法を試してみたいんだけど構わないか? だって《絶対零度》しか使えなかったし」


 ガマガエルの討伐を完了した俺は、少し休憩をしながらアンナたちに提案をしてみた。


 やはりもう少し魔法を色々と試したいところだ。


 完全に依頼から脱線しているから、報酬金以上の働きをすることになるが別に構わないだろう。


「いいよ! もっとやろう!」


「わたしも賛成です! リッター様の魔法をもっともっと見てみたいです……し?」


 エイラは言いかけるが、途中で言葉を詰まらせる。


「あれ……? 受付嬢さん、走ってきてませんか?」


「嘘だぁ。こんなところに受付嬢さんがいるわけないだろ……」


 俺は苦笑しながら、エイラが指さした方向を見る。


 あれ……確かに誰かが走ってきているな。


 ううん……いや、あれ受付嬢さんだ。


「マジだ……どうしたんだろ」


「何かあったのかな?」


 俺たちが困惑していると、受付嬢さんがぜぇぜぇと肩で息をしながらやってきた。


 もうふらふらとしている。


「どうしたんだ? 何かあったのか?」


「そ、それがですね……! 本当に大変なことが起きまして……!」


 受付嬢さんは焦りながら、俺にぐっと近づいてきた。


「あなたですよあなた!! 問題なのはあなたです!!」


「ええ……俺ぇ?」


「そうです! もう、こっちは本当にびっくりしたんですからね!?」


 なんだろう……俺、何かしちゃったかな?


 漫画でよくある無自覚系主人公的な思考になってしまうが、本当に自覚がない。


 全く心辺りがない。分からん。


「アルタール伯爵がリッター様に帰還命令を出しています……! しかもしかも……! どうやら息子のイダト様がこちらに向かってきているようでして……!」


「嘘だろ? どうして今更……家族の縁はもう切ったはずなのにな」


「知りませんよ! と、とにかく急いでギルドに戻ってきてください! いいですね!」


 そう言って、受付嬢がわたふたと王都へ逆走していく。


 なんだか大変そうだなぁ。


「……さて、魔法の続きをしよっかな」


 俺はパンと手を叩き、違う方を向くとアンナとエイラが手を掴んできた。


「いや、戻らないの……?」


「受付嬢さん……超テンパってましたが……」


「戻らないよ。大丈夫大丈夫、受付嬢さんがどうにかしてくれるさ」


「戻ろうよ!? あのままじゃ、全てが終わった後に怒られるよ!?」


「下手すれば殺されますよ!? 受付嬢さん、めっちゃ殺意こもった目でリッター様のこと見ていました!」


 二人がぶんぶんと俺の手を握って抗議してくる。


「いや……だって面倒くさいし……」


「どうして!?」


「なにゆえ!?」


 行きたくない。絶対に戻りたくない。


「はぁ……たっく、しゃーないな」


 ただ受付嬢さんに嫌われるのは後々大変なことになりそうだし、ここは戻るとするか。


 嫌だなぁ。


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