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【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部五章

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59.リッターを囲え!

「こうやって近くの草原に出たのは初めてかもしれないなぁ」


 俺は王都の町すぐそこの草原に出て、依頼対象であるガマガエルを探していた。


 大抵遠くに出向いていたから、このように草原に出る機会はなかった。


「王都近くの草原は平和なんですよねぇ~ほのぼのします」


「昔はここでよく訓練をしていたわね。懐かしいわ」


「へぇ。二人にも下積み期間があるって、なんだか不思議だな」


 二人は最初から強いって印象しかないから、どこか信じられないでいた。


「私たちだって努力したよ。もう本当に大変だった……」


「あの頃は苦労しましたねぇ……」


 そう言いながら、二人は肩を竦める。


「お金もあまり稼げていなかったから、毎日パン一切れだったし……」


「死にそうでしたね……」


「やばいなそれ。よく動けたな」


「気合いだよ……!」


「です……!」


 二人は苦笑しながら、肩を揺らす。


 大変だったんだな。


 俺なんてまだ貴族の家にはいたからマシだったのかもしれない。


 こう考えてみると、俺はまだまだ努力が足りないな。


「そろそろ……あ、いた」


「うへぇ~気持ち悪いですねぇ……」


 二人が指さした方を見ると、やけに大きいシルエットが見えた。


「本当にデカいカエルだ……」


 目の前に、巨大な緑色のカエルが三体もいる。


 しかもめちゃくちゃ体がぬるぬるしているし、目も気持ち悪い。


 小さいカエルはまだ可愛く見えるが、これはただ怖いし気持ち悪いだけだ。


「まあいい! 試したくてウズウズしていたんだ!」


 俺はそう言って、相手を見据える。


 腕を目の前に突きだし、にやりと笑った。


「《絶対零度》ッッッ!」


 刹那、俺の手のひらがまばゆく光る。


 幾重もの魔法陣が生み出され、吹雪をまといながら回転を始めた。


 そして――一瞬にして三体のガマガエルを凍り漬けにした。


「おいおい……マジか」


 これほどまでに巨大なカエルを、一撃で凍らせてしまうだなんて。


 さすがは最上位の魔法だ。


 他のものとは比較にならない。


「ってか! 一体ずつ仕留めようとしたのに、一撃でやっちゃったじゃん!」


 俺は嘆息しながら頭をかき、アンナたちの方へ戻る。


「……ヤバすぎない?」


「あの巨大な体を……一撃で……?」


「正直ヤバいよな。もう少し試してみたいんだけど、もっと魔物を探してみないか?」


 そう言うと、二人は目を見開いて詰め寄ってくる。


「冷静すぎるよ! 今の相当ヤバかったよ!?」


「まさに賢者様です! 半端ないです!」


「いやいや……別に俺がすごいわけじゃないからな……」


 俺がすごいのではなく、魔法がすごいのだ。


 《ショートカットコマンド》があるから使えているだけで、別に俺は普通である。


 まあ、こうして俺のことをすごいって言ってくれるのは嬉しいけれど。


「……やっぱりリッターは大物ね」


「そうですね。もっともっとリッター様を囲いましょう……」


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