40.キラキラ武具屋
「そろそろかな! でも武具屋だなんて久しぶりだね!」
「ですね! ルビーさんは元気してますかね!」
俺たちは町を歩きながら、武具屋を目指していた。
しかし今、ルビーさんって言ったか?
「ごめん。ルビーさんって誰だ? 話の流れ的に武具屋関連だと思うんだけど」
「ルビーさんってのは武具屋の店主ですよ! すっごく可愛いんですよね~!」
「可愛い……だと? マジか」
なんだか驚きである。
武具屋の店主が可愛い女の子だなんて、どこかギャップがあって萌えだ。
どんな人物なのか見てみたいな。
俺は少しワクワクしながら歩いていたのだが……なんだかかなり目立つ建物の前で止まった。
「ここが武具屋だよ! いつみても可愛い外見だよね~」
「……待ってくれ。可愛い外見なのはいいが武具屋にしては可愛すぎないか」
なんていうか、テーマパークの中にある建物のようだ。
めちゃくちゃファンシーでキラキラとしている。
ピンクの壁に星々の飾り付けがされているのが特に際立てている。
「まあまあいいじゃない! 入ろっ!」
「ああ……」
俺は二人に背中を押されるがまま、店内に入る。
中も中でなんかとてもファンシーだ。
装備は普通なのだが、飾り付けが本当にキラキラしている。
これじゃあ武具屋じゃなくてアトラクションだ。
「おお! アンナちゃんにエイラちゃんじゃん! おっひさー!」
「おっひさールビーちゃん! 来たよ!」
「お久しぶりです!」
おおう……なんだかとてもファンシーな子が出てきた。
彼女が恐らくルビーさんなのだろう。
赤と黒が混じった綺麗な髪にギャルっぽい身なり。
どう見たって武具屋の店主だとは思えない。
「およおよ? アンナちゃんの隣にいるのは誰? ユーだよユー!」
「えと、俺はリッターって言います。アンナの新しい仲間的な感じで……」
「おうおう! ユーはリッターって言うんだね! よろしくちゃん!」
「よ、よろしくちゃん」
「ノリがいいね! リッターのこと、あたし気に入ったよ!」
どうやら俺は気に入られたらしい。
しかし……彼女から陽の気配を感じすぎて陰キャモードが発動しちゃっている。
眩しい……彼女が眩しすぎる。
「でもでも本当に久々のお客さんだよ~……なぜかアンナちゃんたちくらいしかお客さんが来てくれないんだよね~……こんなに可愛いのに!」
原因はそれじゃないか?
だってこんなにキラキラしていたら、そこら辺の冒険者は入ってこられないだろう。
女冒険者でも若干厳しいと思う。
「ドンマイドンマイ! 私たちがいるじゃん!」
「ですよルビーさん! 安心してください!」
「うーんそうだね! 赤字だけど楽しいから問題ない!」
……なんだかとても騒がしい子が出てきたなぁ。




