表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/111

31.お膝

第四章開始!


「国王様に私たち自ら報告……か……緊張するな」


「そうですね……めちゃくちゃ恐縮しちゃいます……」


 俺たちは帰りの馬車に揺られながら、そんなことを呟いていた。


 実際俺も緊張はしている。


 なんたって国家のトップに説明をしなければならないのだ。


 万が一何かあれば極刑だってありえるってことを考えると、震えが止まらない。


「でも、俺たちの目標に少し……というかかなり近づけるわけだ。逆にチャンスだと思おう」


「確かに……そうだよね。これはチャンスだ」


「うん……! ですね……!」


 二人は拳をぎゅっと握り、にかっと笑う。


 そう、これはチャンスなのだ。


 俺たちにとっての目標を叶えるチャンスになりえる。


「にしても、眠いな」


 俺はぐっと伸びをして、目をこすった。


 それはそうと、ずっと俺は眠たかったのだ。


 この依頼を受ける前から、眠たくて眠たくて何度倒れそうになったことか。


 王都に到着するまで、少し寝ようかな。


「あ、それならわたしのお膝を貸してあげます!」


「え……? あれ本気だったのか?」


 思わず困惑してしまった。


「本気ですよ! 約束だったじゃないですか!」


 ま、マジか。


 俺……女の子のお膝で寝られるのか……?


「ふん! 勝手にすればいいじゃない! 約束してたんでしょ!」


「アンナはなんで怒ってるんだよ」


「別に怒ってません! どうぞお膝で眠ってください! 永遠に!」


 やっぱ怒っているよな。


 俺、何かしたかな?


 というか永遠にって殺意高いなおい。


「だそうですよ! さあ寝ちゃってください!」


「あ、ああ」


 しかしこんなご褒美シチュを見逃すほど俺は甘くはない。


 アンナがなんか怒っているが、それでも構わない。


 俺は前世では絶対に体験できなかった膝枕を今――やってみせる。


 ゆっくりとエイラの膝に体重を乗せる。


 ああ~……柔らけえ……なんて最高なんだ。


 俺は涙を流しそうになりながら、エイラのお膝を堪能する。


「えへへ。なんだか可愛いですね」


「可愛くないわよ! ふん!」


 可愛いって言われたんだけど。


 なんかアンナはぶち切れてるけど。


 でも可愛いって……照れくさいな。


 あ~……この時間が永遠に続けば良いのに。


 生きてて良かった。


 まあ一回死んでるけど。


「王都までもうすぐでちゅよ~」


 エイラの甘やかしボイスに俺は静かに頷く。


 若干赤ちゃんプレイになってきたような気がしなくもないが、どちらにせよ癒やしなので問題ない。


 最高である。


「全く……今度は私がやるから」


 ……? なんかアンナが言ったような気がするけど聞き取れなかったな。


 まあいいや。今の時間を楽しむことにしよう。


 眠たいし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ