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【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部三章

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25.透明

「まさかリッター様にお会いすることができるとは……光栄です」


「ははは……俺は別に」


 レッドル公爵の兵士に案内してもらいながら、俺たちは歩いていた。


 というか……なんか兵士にも感激されているのだが。


 俺、何かしたかな?


 別に目立つようなことは何もしていないと思うんだけど。


「やっぱりリッターは有名だね。私たちも負けてられないな」


「ですです! 負けてばかりじゃいられません!」


「いやいや……二人まで……」


 これじゃあまるで俺が有名人みたいじゃないか。


 まあ……俺の持っているスキルは外れだから、ある意味有名になりえる素質は持っているのかもしれないけど。


「話が変わってしまい恐縮なのですが、キメラが確認された場所はこの辺りです」


 兵士が立ち止まり、遠くの方を指さす。


 この辺りは木々はあまり生えておらず、広い草原が広がっていた。


「申し訳ないのですが、私は危険なため一度帰還します!」


「ありがとうございました! ここは俺たちに任せてください!」


「ええ! 私たちに任せてちょうだい!」


「です!」


 そう言うと、兵士は一度敬礼をしてその場から去っていった。


 やはり戦闘をするってなると、兵士たちがいたら危ないからな。


 俺はふうと息を吐いたあと、周囲を見渡す。


「しかしこんなに視界は確保されてるのに、どこにもキメラは見当たらないな」


 キメラがどんな生物なのか、どんな大きさなのかは知らない。


 だから正直なんともなのだが、それでも見当たらないことに疑問を抱いていた。


「うん。キメラって色々な魔物の特徴を持っているから、何か変な能力でも使ってるのかも」


「変な能力……? それがキメラが見当たらない原因なのか?」


「分からないけどね。もしかしたら、もう移動しちゃってここにはいないのかもしれないし」


 俺たちは半ば困りながら、周囲を見渡す。


 しかし現れてくれない以上は俺も何もできない。


 どこか探しに動いてみるか……と思ったのだが。


 ――ザザッ!!


「なんだ!?」


「……!? みんな戦闘準備を!」


「は、はい!!」


 正面の草が激しく揺れたかと思うと、透明な何かが俺たちの隣を横切った。


 俺たちは武器を構え、見えない相手が何者なのかをじっと見ていた。


「あれは……」


「キメラね。透明化の能力も持っているっぽいわ」


 うなり声が聞こえたかと思うと、ゆっくりとキメラの姿が現れた。


 様々な魔物の特徴を持った体をこちらに向け、睨めつけてきている。

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