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【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部三章

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21.馬鹿なんじゃない?

「まさかギルドが馬車代まで負担してくれるなんてな」


「そうね。それほど危機感を持っているっぽい」


 俺たちは馬車に乗りながら、レッドル公爵領を目指していた。


 小窓から顔を出して、微かに当たる風が気持ちいい。


「それにしても公爵ですかぁ。どんな人なんでしょうね」


 エイラが肩を揺らしながら聞いてくる。


 確かに公爵ってのはどんな人間なのだろうか。


 俺は一応、嫌というほど伯爵に関してはみてきたが……まああんな感じだった。


 だからあまり、貴族という身分にいい印象は持っていない。


「すごく領民思いのいい人らしいわよ。世間からの評判はとてもいいらしいわ」


「へぇ~それはすごいな」


 アルタール伯爵の世間の評判は……あんまりだった。


 あの人は自分中心なところがあるから、それが原因だとは思うけど。


 ん~……貴族にもいい人ってのがいるんだな。


 意外だ。


「まあそういう感じだから、会って変なことを言われるってのはないと思う。貴族ってプライドが高い人が多いからそういうイメージがあるけどね」


「ああ。貴族はプライドが高い」


「あれ? なんだか確信めいた言い方をするわね」


 それもそうか。


 俺はあまり確信を持った言い方なんてしないからな。


 少し不思議に思われても当然である。


「実は俺の家族が貴族でさ。ほら、アルタール伯爵って知ってる?」


「え!? あなたって元貴族なの!?」


「マジですか!?」


「あんまり自慢できることじゃないんだけどね。実際無能の烙印を押されて追放されたし」


 そう言うと、二人は目を丸くする。


「リッターを追放するだなんて、その貴族は……言っちゃ悪いけど勘違いをしているか、ただの馬鹿ね」


「そうです! ありえません!」


「ははは……でも実際俺は外れだしな」


「信じられない。やっぱり馬鹿なのよ」


「世間からの評判も見え透いてますね……」


 そこまで言ってくれるのか……。


 なんか俺なんて外れスキル持ちで馬鹿だから、少しだけ嬉しい。


 やっぱりこういう仲間がいるのって幸せなんだな。


「さて、そろそろな気がするんだけど――うわっ!」


「な、急に止まりましたね!?」


 馬車が急停車したので、慌ててアンナが確認を取ろうとする。


 顔を出して、外の様子を窺っていたのだが。


「どうやら魔物に襲われたっぽい。今すぐ退治しなきゃ」


「マジか。よし、俺たちの出番だな」


「やったりましょう!」


 そう言って、俺たちは馬車の外に飛び出した。


 魔物との戦闘はやっぱり緊張するが、俺たちなら大丈夫だ。

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