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【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部二章

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17.紋章

「こちらです。この宝石のようなものがオーガから回収されました」


 そう言って、受付嬢さんは宝石のようなものを見せてくれる。


 パッと見は本当に宝石なのだが、何か紋章のようなのが刻まれているようだ。


「この紋章……見覚えあるわ。確か魔族のものよね?」


「魔族? なんだそれ」


 俺は首を傾げてしまう。


 名前は聞いたことあるが、一体どんなものなのかは知らなかったからだ。


「魔族にも色々あるんだけどね。人間に近いけど、また違った存在だと思ってくれていいと思う」


「人間に近しいか……でもそれがどうしたんだ? 魔族が何か問題でもあるのか?」


 そう言うと、受付嬢さんは答える。


「基本的に問題ありません。友好的な魔族も多くいらっしゃいますから」


「なら」


「ただ、友好的な種族ばかりじゃないのです。この宝石に刻まれている紋章は恐らく魔人族のもの。彼らは人間に酷く敵意を抱いているようでして……」


 魔人族……聞いたことがないものだが、名前からしてまがまがしさを感じる。


 エイラがむむむと唸りながら、


「あのオーガは魔人族が仕掛けてきたもの……って考えるのが妥当ですね。最近は魔人族からの攻撃は収まっていたのにどうして……」


「ええと、つまり魔人族ってやつらは敵なのか?」


 俺がアンナに聞くと、彼女はこくりと頷く。


「攻撃してきた以上は敵ね。実際被害も出たんだし、戦闘は避けられないわ」


 なるほどな……つまり人類の敵ってことになるのか。


 この世界は魔物がいたり魔族がいたりと、元の世界と違って大変だな。


「つきましては、アンナさんたちに魔人族の警戒に当たってほしいのです。お願いできますか?」


「ええ、もちろん。リッターも構わないよね?」


「俺でよければ。二人にはお世話になってるから、いくらでも頑張るよ」


「さっすが。ありがとうね」


 俺が役に立つかどうかは分からないが、彼女たちのために頑張りたいと思う。


 とはいえ、こういうのは俺よりイダトの方が適任なような気がするけど。


 俺なんて所詮外れスキル持ちだしな。


 《剣聖》にはどんなにやっても勝てない。


「とりあえず報告でした! ギルドの方でも調査はいたしますので、アンナさんたちは今日のところは休んでください!」


「そうですね! 今日は少し休みましょうか!」


「俺もちょっと疲れたかも。いいかなアンナ?」


「そうね。ちょっと休もうかしら」


 ということで、俺たちはいったん休息を取ることにした。


 が……ふと思い出す。


 俺、どこで休めばいいんだろ。


 家がないのはもちろん、宿に泊まるお金だって持ち合わせていない。


 もしかして、野宿か?


 なんて考えていたのだが、アンナが俺に話しかけてくる。


「あ、リッターって泊まる場所ある?」


「ないよ。だからちょっと今困ってるんだ」


「それじゃあ一緒に来なよ。仲間なんだから一緒に寝よ」


「本当か! ありがとう――」


 え、ちょっと待って。


 今『一緒に寝よう』って言わなかったか?

 

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