16.《スラッシュ》の記憶
「はいこれ! 早速覚えてみせてよ!」
「ありがとうアンナ! よーし、早速やってみるか!」
俺はアンナから魔導書を受け取り、文字列を眺めてみる。
やっぱり俺は頭が悪いから、パッと見ではあまり理解はできない。
だけど俺のスキルがあればある程度のことは勝手に省略してくれる。
俺はただ、文字を読み込み、記憶するだけでいい。
「《スラッシュ》の記憶完了っと。ええと、コマンドオープン」
俺が手のひらを空中に浮かべると、ぱっとステータス画面が表示される。
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《スラッシュ》を魔導書から記憶しました。
あなたが使用できるショートカットコマンド一覧
・《ヒール》
・《ブリザド》
・《ファイア》
・《イカズチ》
・《スラッシュ》NEW!
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よし、しっかり登録できているな。
これで恐らく俺は《スラッシュ》の魔法を扱えるようになったはずだ。
「ちなみに……スラッシュもかなり高度な魔法なんだよ?」
「そうなの? どれくらい高度なんだ?」
「ええとですね。Aランク以上の冒険者がやっと身につけられるくらいですかね」
Aランクくらいの冒険者がやっと身につけられるくらいか。
でも彼女たちはSランク冒険者なわけだし……あまりたいしたことはないな。
「もしかして……別に普通だと思ってるでしょ?」
「だって二人と比較すると弱いような気がするなって」
「あなたはやっぱり化け物だわ……」
「ですです……普通は魔法なんていくつも持てないのに……」
「え? 何か言ったか?」
「なんでもないわ……」
「なんでもないです……」
なんかすげえ化け物化け物って言われていたような気がする。
もしかして罵られている……のか?
いやいや、多分そういうわけではないのだろう。
そうだよな?
「それじゃあギルドに行こっか。君の魔法、早く見たいしね」
「ですね! 今日は魔法だけ試して、適当に休みましょうか!」
「ああ。俺も早く魔法が試してみたいよ」
そう言って、俺たちはギルドへと向かった。
◆
「アンナさん!」
ギルドの扉を開くと、受付嬢さんが慌ててこちらに駆け寄ってきた。
何かあったのだろうか。
普通はこんなにも急ぎで話しかけてこないと思うのだが。
「何かあったの?」
「……それがですね。さっきオーガを倒していただいたじゃないですか」
「ええ。リッターのおかげでね」
「ギルドの方で、オーガの遺体を回収したのですが……何やらおかしなものが見つかったらしく。ただのオーガじゃなかったんです」
「おかしな……もの?」
何か嫌な予感を感じながら、俺は受付嬢さんの次の言葉を待った。
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