15.新たな魔法を
「でも助かっちゃったね。リッターにはお礼しないと」
「そうですね。突然だったのにありがとうございます」
「何を改まって言っているんだよ。俺たちは仲間だろ?」
依頼が終わった後、俺たちはギルドの酒場にてこんな話をしていた。
でも俺は別に変わったことはしていない。
仲間なら当然のことをしたまでで、感謝されるようなことではない。
「ふふふ。やっぱりリッターは最高だよ」
「ですね!」
全く……すぐ俺のことを褒めるから気持ちが持たない。
でもいい仲間を持てたってことだよな。
俺のことを褒める人なんて、誰もいなかったのに。
「あ! せっかくだし魔導書買いに行こうか! リッターを強化しよう!」
「いいですね! リッター様が強くなるの、見てみたいです!」
「魔導書か! いいねいいね!」
俺も魔導書を買いに行けるなら行きたい。
もっと知識を付けたいし、みんなのために強くなりたい。
今でもすごく恵まれているけど、努力を辞めてしまったらみんなに迷惑かかっちゃうし。
「それじゃ行こっか!」
◆
「うおおお……ここが魔導書屋か……」
アンナに案内されるがまま、俺は生まれて初めて魔導書屋まで来ていた。
店の中には数多くの魔導書が並んでおり、まさに圧巻である。
「この魔導書たか……これも高すぎるだろ……」
分かってはいたのだが、どの魔導書も比較的高い。
こんな大層なものを買ってもらうだなんて、少し恐縮してしまう。
「どんな魔導書がいい? 攻撃系? バフ系?」
アンナが首を傾げて聞いてくる。
魔法の種類か。
攻撃系もいいし……バフもいいな。
でもバフはさっき見た感じだとエイラが使えそうなんだよな。
なら俺は攻撃系のスキルを優先的に持っていた方がいいかもしれない。
「攻撃系がいいかな。何かいいものない?」
「うーん……こんな魔法はどうですか?」
エイラが魔導書を渡してくれる。
これは……《スラッシュ》か。
説明を見た感じ、物理属性の一撃を相手に与えるというもの。
案外悪くないかもしれない。
「よし。んじゃあこれにするよ」
「決まりですね!」
「うんうん。それじゃ買ってくるね!」
そう言って、アンナが会計に向かう。
ふふふ……新たな魔法か……。
楽しみだ。
もっと魔法を覚えて、もっと成長しなければ。
「リッター様がもっともっと強くなる……もうわたしなんて余裕で超えていそうです……」
「大げさだなエイラ。俺はまだまだだよ」
「それはどうでしょうね……」
全く、エイラもエイラで大げさだな。
俺はまだまだだ。
だけど、これからもっと頑張る予定だからいつかエイラとかにも肩を並べる時が来たらいいな。
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