13.転生最高!
「わたしが皆さんにバフを付与します! 精霊よ、我々に魔力の加護を与えよ――《魔力強化》!」
そう言って、エイラが詠唱を唱える。
……初めて詠唱を聞いたのだが、魔法を発動するためにかなりテンポが遅れてしまうな。
他のみんなもそうなのだろうか。
それなら……かなり苦戦してしまうような気がするのだが。
「ははは……やっぱりリッター様と比べると劣っちゃいますね」
「いや、そんなことないよ! とにかくありがとう!」
「私が一撃を与えて怯ませる! 仕留めるのはリッターに任せていい!?」
「俺ができるかは分からないが――やってみる!」
最後の最後はどうやら、俺に任されてしまったらしい。
だけど、それほど俺のことを信頼してくれているってことなんだ。
前世と比較すると、幸せなことに変わりない。
俺ができることを精一杯する。
「はぁぁぁ!!」
アンナが一気に距離を詰め、オーガの懐に入り込む。
相手は動揺を呈しているが、それすらも彼女の思い通りなのだろう。
アンナはぐっと剣を構え、オーガに向かって一撃を放った。
速い。
やっぱりSランク冒険者なだけはある。
「あとは俺がやる! 《イカズチ》ッッッ!!」
俺が声を手のひらを向けると、轟音とともに雷がオーガに直撃する。
さっきアンナたちから貰った強力な魔法だ。
俺が使うには少し不相応かもしれないけど、今はそれでいい。
『ガァァァァァァア!?』
オーガは悲鳴を上げながら、己の体が燃えるのを防ごうとする。
だがその速度より、俺の方が何百倍も速い。
「燃えろ! 《ファイア》ッッッ」
俺が放った炎により、更に体は燃え広がる。
次第にオーガの動きが鈍くなり、最後には倒れた。
よしっ……討伐完了だ!
俺……やればできるじゃんか!
「すごいよリッター! 何度でも言うけど、魔法を無詠唱でできる人間はいないんだよ!?」
「格好良すぎます! やっぱりリッター様は世界一ですね!」
「ちょ、おいおいおい!?」
急に二人が抱きついてきたので、俺は思わず仰け反ってしまう。
待て待て待て。急にそんなことされたら、俺……恥ずかしさで倒れちゃう。
前世ではこんなにも女の子に密着されたことないから、一切耐性がないんだ……!
「どうしたんだ急に……!」
「いやさ! なんだかリッターを見ていると、本当にこんなにも強い人が仲間になってくれたんだって嬉しくって!」
「ですです! いくらでも魔導書プレゼントしますから、どこにも行かないでくださいね!?」
「行かない……! 行かないから……!」
俺は悲鳴を上げそうになりながらも、この状況に少しだけ嬉しい気持ちを抱いていた。
て、転生……最高……!
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