109.英雄の皆さん
「来てくれたんだね! 王都を救ってくれた英雄の皆さん!」
「ははは! ルビーちゃん褒めすぎぃ!」
「ですです! なんだか照れますねぇ!」
賢者のパズルの回収を任された俺たちは、武具を整えるためにルビーのところに来ていた。
久々に来た気がするが、ルビーのテンションは相変わらず変わっていない。
しかし英雄だなんて言われると少し照れてしまうな。
「でもでもみんなのおかげで王都は無事! これを英雄とは言わずになんと言うのか! あたしの店も無事だったわけだし、ほんと感謝しかねいよねー! ルビーちゃん感動!」
そう言いながら、ルビーがにこにこと笑っている。
まあ、ルビーの店が無事で俺も嬉しい。
「それで今日はどうしたのかな!? あたしの店に来るってことは、武具を整えに来たってわけでしょ!?」
「ああ。実はこれからエルビダ王国を出て、他国に行くんだ」
俺が答えると、ルビーは目を丸くする。
「ええ!? 海外に行くの!? 何事ぉ!?」
それはそうだよな。
突然外に出るなんて言われたら、誰だって驚くだろう。
「実は国王様に頼まれたことがあるの。だから他国に行くことになってね」
アンナは少し寂しそうに答える。
さすがに賢者のパズルを回収する……だなんて言えないしな。
ルビーにとってはあまりにも突然で驚くだろうが、仕方がないことだ。




