106.覚悟
俺はイダトと向かい合う。
覚悟は十分だ。
ここで決着を付ける。
なんだか今なら何だってできる気がするんだ。
「来いよイダト! かかってこい!」
「ああ……言われなくても分かっているさ! 負けるわけがないだろう……今の僕が!」
イダトが叫ぶと、また一瞬首にぶら下がっている石が光った。
やはりあれが何かをやっているのか……?
実際イダトは以前と違いかなり強化されているように思う。
まあ……関係ないか。
それを上回る力を俺が発揮すればいいだけだ。
「《剣聖》の力を見せてやるぞぉぉぉぉ!!」
言って、イダトが急接近してくる。
かなりの速度だ。下手すればアグ以上かもしれない。
けれど――もう見切っている。
「《聖者の剣》」
俺はすかさず剣を握る。
相手が放ってきた一閃を同時に防いだ。
ギチチと音を立てながら、お互いの剣が軋む。
だが、イダトは左手を持ち手から離して俺に向ける。
「《獄炎》だァァァ!!」
俺と同じ魔法だ。
俺と同じ、炎の最上位魔法。
イダトの手のひらから灼熱の業火が発生する。
だけど――それはあくまで『ただの最上位魔法』だ。
応用が足りない。
「《炎帝の導き》」
咄嗟に持っている剣を離して――《獄炎》の応用魔法を発動する。
俺の右手から青い炎が糸のように放たれ、一瞬にしてイダトの《獄炎》を包み込んだ。
瞬時にイダトの炎は俺の魔法によって収束し、消滅する。
「なっ――クソがッ! 《絶対零度》ッッッ!」
イダトも剣を離して魔法を発動する。
だけど、それも『ただの最上位魔法』だ。
「《零氷悠久の輪舞》」
《絶対零度》が地面を伝い、俺へと直進してくる――だが。
俺の魔法は周囲を凍てつかせ、幾千もの鋭い氷が地面から芽生えて《絶対零度》を破壊していく。
そう――相手の魔法を全て無効にしたのだ。
それだけじゃない。
「くっ――うあああああああああ!?」
地面から生えた氷が、イダトの右腕を凍てつかせる。
イダトは慌ててそれから逃れようとするが、完全に凍った氷は腕を離さない。
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