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【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部七章

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106.覚悟

 俺はイダトと向かい合う。


 覚悟は十分だ。


 ここで決着を付ける。


 なんだか今なら何だってできる気がするんだ。


「来いよイダト! かかってこい!」


「ああ……言われなくても分かっているさ! 負けるわけがないだろう……今の僕が!」


 イダトが叫ぶと、また一瞬首にぶら下がっている石が光った。


 やはりあれが何かをやっているのか……?


 実際イダトは以前と違いかなり強化されているように思う。


 まあ……関係ないか。


 それを上回る力を俺が発揮すればいいだけだ。


「《剣聖》の力を見せてやるぞぉぉぉぉ!!」


 言って、イダトが急接近してくる。


 かなりの速度だ。下手すればアグ以上かもしれない。


 けれど――もう見切っている。


「《聖者の剣》」


 俺はすかさず剣を握る。


 相手が放ってきた一閃を同時に防いだ。


 ギチチと音を立てながら、お互いの剣が軋む。


 だが、イダトは左手を持ち手から離して俺に向ける。


「《獄炎》だァァァ!!」


 俺と同じ魔法だ。


 俺と同じ、炎の最上位魔法。


 イダトの手のひらから灼熱の業火が発生する。


 だけど――それはあくまで『ただの最上位魔法』だ。


 応用が足りない。


「《炎帝の導き》」


 咄嗟に持っている剣を離して――《獄炎》の応用魔法を発動する。


 俺の右手から青い炎が糸のように放たれ、一瞬にしてイダトの《獄炎》を包み込んだ。


 瞬時にイダトの炎は俺の魔法によって収束し、消滅する。


「なっ――クソがッ! 《絶対零度》ッッッ!」


 イダトも剣を離して魔法を発動する。


 だけど、それも『ただの最上位魔法』だ。


「《零氷悠久の輪舞》」


 《絶対零度》が地面を伝い、俺へと直進してくる――だが。


 俺の魔法は周囲を凍てつかせ、幾千もの鋭い氷が地面から芽生えて《絶対零度》を破壊していく。


 そう――相手の魔法を全て無効にしたのだ。


 それだけじゃない。


「くっ――うあああああああああ!?」


 地面から生えた氷が、イダトの右腕を凍てつかせる。


 イダトは慌ててそれから逃れようとするが、完全に凍った氷は腕を離さない。


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