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【書籍化】外れスキル《ショートカットコマンド》で異世界最強〜実家を追放されたけど、俺だけスキルの真価を理解しているので新天地で成り上がる〜  作者: 夜分長文
第一部七章

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104.だから――今度は失敗しない

 イダトは剣を肩に当て、空いている手で髪をまくし上げる。


 今まで……見たことない表情をしている。


 俺をバカにしてきている時だって見せなかった――邪悪な表情だ。


「リッター、気分はどうだ? もう一度僕に会えて嬉しいだろ?」


「……なんでお前がここにいるんだ。どうしてアグを殺した……!」


「僕がここにいる理由はお前に復讐がしたいから。どうしてアグを殺したかというと僕がこうして今ここに立つことができている礼だ」


 そう言って、イダトは頭をかく。


「まあ、簡単に言えば協力関係だからだよ。僕も王都を爆破した。そして、これからも壊す」


 イダトが指を弾く――瞬間爆発音が響いた。


 俺は慌てて音がした方向を見ると、黒い煙が上がっている。


「やめろイダト! 何を考えているんだ!?」


「……はは。いいよなリッターは。新しい仲間ができて、新しい居場所もできて。なのに僕はと言えば、父上からは見捨てられ、落ちぶれて」


 言いながら、イダトは目を見開く。


「羨ましいよリッター! だから僕は壊すんだ! お前の全てを………お前が持っているものを! そして殺す! 絶対に殺す! お前の全て、すべからく殺す!」


 ふと、イダトの首にぶら下がっている何かが光った。


 あれは……なんだ?


 石のようにも見えるが……あんなのイダトは持っていたか?


 いや、今はどうだっていい。


 イダトは剣をこちらに向けて、にやりと笑った。


「これは僕の復讐譚だ! そしてお前は僕の悪役! 最期は惨めに死ぬぅ! 仲間の女どもは見るも無惨な仕打ちを受け! お前はその光景を絶望しながら眺めて死ぬんだぁ! ふはははははははははははは!」


 イダトは顔に手を当て、心底愉快そうにする。


 ……気味が悪い。あんなことを言うようのタイプじゃなかったのだが。


「ああ笑った! ――さて、女を殺すか」


 刹那――イダトが手のひらを見せた。


「ま、不味い――っっっ!?」


「え……?」


「リッター様……?」


 イダトから放たれた魔法がアンナたちに当たろうとしたのを、俺は咄嗟に飛び込んで庇った。


「ああっ……やっべぇ……」


 ちらりと、痛む腕を見る。


 しかし――腕は残っていなかった。


 さっきの魔法にまるごと持って行かれた。


「リッター!!!! 嘘!? ええ!?」


「リッター……様! い、今すぐわたしが……治療を……治療をしなくちゃ……!」


 俺はあまりのショックに膝を付いてしまう。


 まさか……持って行かれるとは思わなかったな。


 ああ……クソ痛ぇ……。


「はは……ふははははははは! やったぞ! 女どもを最初にやるつもりだったが、これはとんだラッキーだ! リッター自ら自滅したぞぉぉぉ!!」


 想定外だ。


 イダトは今まで魔法なんてまともに扱えなかったはずだ。


 それにやつが俺に敗北して時間も経っていない――まさかこの短期間で魔法を覚えたのか?


 ありえない。俺が使う《ショートカットコマンド》じゃないんだから。


「リッターしっかりして……!? エイラ! 早く!」


「わ、分かっています……! 分かっていますよ……! 癒やしの精霊よ、傷病し者を癒やせ――《ヒール》!」


 エイラが俺の傷を癒やそうとする……が、流血は止まろうとしない。


 そりゃ……腕がもげてんだからなぁ。


「無駄だ無駄! お前は負けたんだ! この僕を前にしてぇ! さぁ……最後の一撃だ! 全員死ねぇぇぇぇぇ!!」


 そう言って、イダトがもう一度魔法を放ってくる。


「っ……! 防御態勢に入るわよ!」


「は、はい……!」


 アンナたちが俺の前に出て、庇おうとしている。


 ははは……みっともねぇ。


 あんだけ大口叩いておいて、負けるだなんて。


 でも……ここで終わるわけにはいかない。


「リッターだけでも守るわよ……!」


「……覚悟はできています!」


 彼女たちを――仲間を守れず死ぬだなんて。


 こんなみっともない終わり方は嫌だ。


 俺は……変わるって決めたんだ。


 転生した時、俺はこう思ったんだ。


(よし。今世では精一杯頑張ろう。後悔しない人生を送るのが第一の目標だな)


 そう――誓ったんだ。


 これは何気ない目標なんかじゃない。


 こっちは一回みっともない死に方をしているんだ。


 二度も……するわけがないだろ!!


「僕の勝ちだ!! リッターァァァァァ!!」


 だから――今度は失敗しない。


「《雷光煌めく一瞬》」


 俺がそう呟いた――周囲が真っ白に染まった。


「なっ!? なんだぁ!? うあああああ!?」


 イダトは悲鳴を上げて後ずさりをする。


「な、なにこれ……嘘……」


「イダトさんから……血が……!?」


 そう――今の一瞬で、イダトは電撃によってダメージを受けた。


「……ふう。さっきから賭けてばかりだ。本当に《治癒》ってもげた腕を修復できたんだな」


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