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M二八 本当のはじまり・・・

 食事を済ませ、後片付けも終えた麻梨子は二階の自室へと引き上げた。

 扉を閉め、

「ふ~」

 大きなため息と共に今まで抱えていた緊張感も吐き出した。

 そして制服を脱ぎ、パジャマに着替えるとベッドの上に大の字に寝転がり天井を眺めた。

(これで、良いんだよね?)

 心の中で誰に宛てるでもない問い掛けをし、しばらくそのままでいた。

 一〇分程経った頃、麻梨子はベッドから起き上がり、机の引き出しから未開封の手紙の束を取り出した。

 それは三〇通はある麻梨子に宛てられたいわゆるラブレター。それらは全て三年になってからの二ヶ月の間に麻梨子が貰ったもの。堂々と手渡しされたものもあれば、靴箱に差出人の名前も書かずに入れてあったものもあり、後輩の女の子に貰ったものも一通あった!

(皆には悪いけど…)

 麻梨子は性格から相手に悪いと思い、なかなか手離す事が出来なかった。しかしそれでは増える一方だったのでクラスが替わる度に思い切って手離していた。

 手紙の束を持ってゴミ箱へと移動し、その束をゴミ箱の上で手離した。

 手紙の束は軽く散らばりながらも全てゴミ箱へと吸い込まれていった。

(私は柊君の事しか想いません!)

 心に強く誓った。

 またベッドに戻り、ヘッドボードに置いてある写真立てを手に取った。そこにはテニスウェアを着て写った柊の写真が納められていた。

 麻梨子はそれを胸に抱き、

(明日からもよろしくおねがいします)

 明日からの柊の自分への事を気にしながら思った。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


『トンットンッ』

 部屋の扉をノックする音がした。

「お姉ちゃん、お風呂空いたよ」

 廊下から舞衣が知らせた。

「わかった、ありがと」

 麻梨子は『どうなっても後悔しない!』そう心に決め、部屋を出た。




 朝倉麻梨子、柊了希。二人の二人にしか解かり合えない愛の物語が今動き始めた…。






   ・・・fin






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