M二一 指摘
梅雨が始まり来る夏までの憂鬱な季節が巡ってきた。
「朝倉」
「はいっ」
麻梨子は席を立ち、先生から中間テストの答案用紙を受け取った。
(自信なかったけど、良かった)
「ま~りこ。数学どうだった?」
休み時間に美夏が訊いた。
「うわっ89点!私は72点よぉ」
麻梨子が答える前に麻梨子の手から答案用紙を盗み見た美夏がわざとふてくされて言った。
「でも、いつも90点以上なのにどうしたの?」
「…ちょっと勉強できなくて…」
「…どっか悪いの?そういえば、最近の麻梨子って時々変よ」
「えっ!そう?」
「うん、たまにぼ~っとして考え込んでたり…」
「ううん大丈夫、何もないわ」
美香の指摘がズバリ的を得ていたため麻梨子は慌てて否定した!
「そう?ならいいんだけど、ヤバイ病気にならないでね」
「それは大丈夫…」
美香の言葉に目一杯の笑顔と苦笑いで答えた麻梨子。
『キーンコーン カーンコーン ~~~~』
「あっチャイムだ!休憩時間ってどうしてこんなに短いんだろ」
言いながら美夏は自分の席に戻った。
(傍目から見てもそんなに変だったんだ…私…)
そんな事や勉強が手につかなかった事は全て柊の事を考えていた事に起因するのを麻梨子自身解かっていた。