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M一七 演技部

「ごめんね、暇だったでしょ?」

 視聴覚室を出て舞衣は一言目の言葉を絵里に発した。数十分間演劇部の淡々とした練習風景を見学していたが、さすがの舞衣も痺れを切らせていた。

「まぁ、正直暇だったけど、いい体験になったわ」

「ハハハハハ…」

 絵里の言葉に苦笑いする舞衣。

「で、ここに決めたの?」

 絵里は舞衣に問い返した。

「……うまく言えないんだけど、何か違うのよね…」

 舞衣は二〇分程の見学で演劇部に違和感を覚えた。その違和感が何なのか舞衣自身もはっきりと解からなかったが『ここは自分の居る場所じゃない』という事ははっきりと悟った。

「それに、中学の時の先輩が一人しか居なかったのも気になるのよ…」

 舞衣は巧く説明出来なかったが、思っている事を絵里に伝えた後一言付け足した。

「じゃあ、演劇部は諦めるの?」

「ううん、もう一つ気になる部があるの…」

 言って、舞衣は一枚のプリント用紙を取り出した。

「何それ?」

「クラブ紹介のプリント」

「どうしたのそれ?」

「え!どうしたのって、入学式の日に貰ったじゃない」

「そうだっけ?」

「絵里…」

 絵里の人当たりの良さは尊敬に値するが、こういう性格でもあることを舞衣は思い出した。

「とにかくこれに書いてあるのよ…これ」

 これ以上このプリントの話をしていてもキリが無いと思った舞衣は話を本題に戻し、プリントに書かれた一つの部を指差した。

「えんぎぶ?」

「そう、演技部。ちょっとここのぞいてから帰ろうと思うの」

「よし!行こっ!」

「え、良いの?絵里。また暇になるかもしれないよ」

「なに言ってんのよ乗りかかった船よ、最後まで付き合うわよ!それに一人だと心細いでしょ」

「ありがとう、絵里」

 二人は演技部が普段使用しているという多目的教室へとむかった。

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