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M一二 行動
母親と別れた舞衣は自分たちの教室での一連の行事を終え、小学校時代からの親友中江絵里と合流し部活見学に出た。
「残念ね、同じクラスになれなくて…」
まず、絵里が切り出した。
「でも隣のクラスになったんだからまだ良い方よ。体育だって一緒なんだから」
「二人はまずグラウンドへむかった」
この日は入学式で在校生は休みだったが、午後からは部活がある。新一年生は式が終わると各自好きに帰って良いのだが、ほとんどの生徒は舞衣たちの様に部活見学に赴いていた。
「絵里は何部に入るの?」
「んー、何にしようかなぁ…」
「バドミントンはやらないの?」
「ん~、バドミントンも良いんだけど、他のもやってみたいしなぁ。舞衣は?」
「私んチ、今年から両親がほとんど家に居ないから…」
「そっか、ごめんね」
舞衣のテンションが低くなり、つられて絵里もテンションダウンした。
「気にしないで、さっ行こっ」
その場の空気を察知した舞衣は笑顔で言った。
その頃麻梨子は、遊びに行こうとして連絡した水野の都合が付かず、どこへも行けずに家で暇を持て余していた。