第七話 異世界ってそういうことあるよね
ものすごく遅くなりました。ごめんなさい。
「え?どういう意味ですか?」
「…いや、何でもないです。気にしないで下さい。」
「そうですか…。」
一瞬口から出かけた疑問だが、今言うのは自分の首を締めかねないな。
『本当にこの国は危険な状況なのか』
察しの良い主人公なら気づくであろうこの国のおかしな点。
大まかに言ってしまえば、
①ウォー!!!異世界キター!
②おぉ、姫様カワイ
③ん?誰かが話している?
④!?主人公は見た!(大臣と王の怪しげな密会)
⑤あれ?俺利用されんの?
⑥ッスー、逃げるか★
と、まあこんな感じだろう。
しかし、ラノベの世界がそうなのであって、このメルドが俺を利用する国と決まる理由にはならない。それに、俺④見てないし。
あくまで、一種の例だ。For exampleって感じ。
レンカさんを置いて自分の世界に入るのも程々にして、改めて俺の今後について聞いてみよう。
いつまでもダラダラしてるわけにも行かないから。
「ところで、一体俺はどうやって強くなればいいんですかね?」
レンカさんの話からだと、筋トレとかでも経験値は付くみたいだけど…
「救世主様には、これから城内での訓練を行っていただき、剣術、武術などを習得していただきます。」
ふむふむ、まずは安全地帯でコツコツとレベル上げってことね。
運動は学校に居た時もかなりできる方だった。まあ、中の上ぐらい。
それに、異世界特典でスペックはかなり高くなってるみたいだし、行けるでしょう。
「じゃあ、明日から訓練ってことですか?」
「救世主様が望むのであれば、いつでも構いませんよ。」
「そうですか、じゃあ1つお願いがあるんですけどいいですか?」
「はい。何でしょう?」
急にお願いしても聞いてくれる、レンカさん優しいかて。
「俺のことは、救世主じゃなくて、大地って呼んでくれませんか?なんか、むず痒くて。」
「…わかりました。それが、キュ…ん"ん、大地様の望みなら。」
途中でしっかりと言い直してくれる、しかもちょっと慌てて。
いやー、非常にポイント高いですねぇ。
「それじゃあ、俺はこれで失礼します。お時間かけて、すみませんでした。」
「いえいえ、こちらこそです。明日からは訓練が始まりますので、今日はゆっくりと休んでくださいね。」
ありがとうございましたー、と手を振る俺に、しっかりと手を振り返してくれるレンカさんを見ながら俺は部屋を出た。
バタンという音がしてドアが閉まる。
…ふう、何とか無事に済んだ。
つ、つかれた~。
俺は地面に崩れ落ちた。
幸か不幸か、衛兵が居なかったのでこれを見られてはない。
てか、閉じるときだけドアから音するんかい。
あー、緊張した。マジ緊張した。女子の部屋とか翌々考えたら初めてだったし。
メンタルがゴッソリ減った気がする。
とにかく、今日はかなりたくさんの収穫があった。聞きたいことも聞けたし、救世主様呼びも無くなったし、良い一日だった。
いつまでも、地面にダイブしていても変人なのでさっさと起き上がる。
「さてと、これから何しようかな〜」
少し肩の荷が降りた俺は、ウキウキしながら部屋に帰って行った。
誤字脱字報告助かりまっする。