第六話 大地とレンカさんの質問コーナー
失踪していて申し訳ないです。ちゃんと生きてます。がんばります。
自分のスキルについて教えてもらおうと、レンカさんの部屋に来た俺はただ、レンカさんの目覚めを待っていた。
…やってしまった。え、何がって?
それは勿論気絶させたことだよ。
別に悪気があったわけじゃないんだよ?
ただ、不法侵にゅ…ゴホン、こっそり部屋にお邪魔したのを誤魔化そうとしただけで。
…しかし、俺って意外とカッコよかったんだな…。
いやいやいや、別にぃ自信過剰とかではないですよ〜。
ただね?俺でも一人の女性をキュンってできるだなーと思ってさ。
ハッハッハー。
…なんか虚しくなってきた。止めよ。
俺は、レンカさんが眠っている横でため息を付く。
改めて、自分のステータスを確認してみた。
「開示…。しかし、この『ノベル』一体どうやって使うんだ?」
「タップ…してもダメだし、読み上げても反応なかったし、」
「戦闘時のみ反応するのでは?」
「うーん、それは流石に…、ん?」
あれ?俺、誰と話してるんだ?
恐る恐る横を見る。
首からギギギという音がほんとに聞こえた。
すると、起きているレンカさんとバッチリ目が合った。
「あ、オハヨウゴザイマス。レンカサン。」
「なんで片言なんですかっ!?」
「いや、ちょっと気まずくて。」
「というか、何故私の部屋にいるのですか?」
うん、言うと思ってたよ。
この受け答えによっては、首飛ぶからね。
そんなこともあろうかとしっかり、考えてきたのさ。
「勝手に部屋に入ったのは謝罪します。実はスキルについて教えてもらいたいことがありまして…」
「あ、なるほど。そうだったのですね。」
およ?案外飲み込みが早い?
もうちょっと、なんか言われると思ったんだけど。まあ、いっか。聞きたいこと全部聞こう。
称して、大地とレンカさんのQ&Aコーナー!!!
お茶の間の皆さん、こんにちは。今回の司会兼質問出題者の大地です。
本日のゲストはこちら!レンカさんです!
今回はレンカさんにどんどん質問していきたいと思います。
「え、あっはいよろしくおねがいします。」
それではスタート!
Q、レベルってなんですか?
A、レベルとは、人が持つステータスに表示される数値で、自分の強さを可視化できるものです。
Q、レベルはどうやって上げるんですか?
A、レベルは、魔物を倒すことによって上がります。
Q、魔物ってどこにでもいる感じですか?
A、そうです。生態は未だに不明ですが、多くの魔物がメルド周辺で確認されています。
Q、スキルってなんぞや?
A、スキルには、『固有スキル』というものが存在します。本来これは、一定の期間、技を使用することで習得するものです。どうやら救世主様は、はじめからお持ちになっているようですけど。また、『固有スキル』の他に、古d…、いえ。なんでもないです。
Q、メルドって、火山跡にあるじゃないですか。だったら、周りが山で囲まれていると思うんですけど、 周りの国とかの関係ってどうなってるんですか?
A、メルドを囲む山には峡谷のように割れて、通れるようなところが幾つか存在します。そこに関所をけて交易などができるようになっています。他の国との関係は、そうですね…良かった、というべきでしょうか。救世主様の召喚の際に少々問題になりまして。どこが救世主様を召喚をするか、で…。
おうおうおう、さり気なく聞いてみたらかなりシリアスな展開じゃない?
え、何?要するに、俺の取り合いしてたわけ?
って、俺じゃないか。救世主か。
でも、『救世主』という伝説上の存在にすがるほどの国の状況なのかな?
案外平和そうだけれども。
てか、レンカさんはさっきなんでドモッたんだ?
俺の考え込む様子を見たレンカさんは少し不安げに口を開いた。
「あの、救世主様?どうかしましたか?」
「えっ、いや何でもないですよ。しかし、本当にこの国は危機的状況なのかなと思いまして。」