第三話 今後とスキル
投稿が遅くなってしまいました。
無事(?)にメルドの王様を拝謁した俺は晴れて自由の身に!ドッキドキの異世界ライフが今、始まるのだー!ふはははは…。
とはならずに今後の生活や魔王を倒すことを決める話し合いに参加した。
この時にあの巫女さんの名前が『レンカ』であることが判明した。
改めて、「よろしくお願いしますね」と微笑まれた。
わお、可愛い…。
普通の人なら、俺のこと好きなんじゃね?、と勘違いしそうな笑顔だ。
もちろん、俺も含めて。
ぜひとも、彼女に…。
…いやいや、落ち着け。今考えることじゃないだろ、俺。
まずは、冒険者となって基礎的な部分から鍛えて行くことになった。
俺もまだ15歳なので、今からでも十分強くなれるとのこと。
俺の魔力はゼロだから、魔法系を練習しなくていいらしい。
魔法、使いたかったな。
「衣食住などはこちらが手配いたします。他にも必要なものがございましたら、遠慮なくお申し付け下さい。大抵のことでしたら、可能ですので。」
「わざわざすいません。ありがとうございます。」
これで生活はできそうだ。いきなり野宿も覚悟していたけど、よかった。
文明的には産業革命前ぐらいが一番当てはまる。
流石に、科学は発展してないけど。
あとは、パソコンとコーラがあれば優勝なんだけどなー。
いや、ないものを望むのは欲張りだ。
ゴメンな、俺の胃袋よ。お前のことを満足させるものは無さそうだ。
やっぱり、地球がどれだけ過ごしやすいかが分かってしまう。
となると、俺はこの世界を良く受け止められるのか?
第二の人生として気楽に生きていけるのか?
答えは、NOだ。
俺も今は日本に帰ることを目標にしているわけだし。
地球を捨ててまで異世界を堪能することを、俺はできない。
そもそも、地球で俺が過ごした15年は決してゴミのようなものではなかった。
彼女こそ居なかったが、勉強も運動もできて、家族も父、母、兄弟も居た。
だからこそ、俺は絶対に地球に帰ってやる。
帰れないならその時はその時さ。
話を終え、城の個室へ案内された俺は速攻で布団にダイビングした。
「はあ〜、づかれた〜。」
「まじで、何なんだ!なーんで俺が救世主なんだよ!さっきまで”物わかりが良い奴”をしてたけど、やっっぱり無理!この状況でポジティブでいれる主人公、どうかしてるわ。」
俺は布団に顔を埋めて、誰も居ないことを良いことに大声を出していた。自分で言うのもあれだが、まるでおもちゃを買ってもらえない三歳児みたいだ。非常にダサい。
「もう良いや、ステータスでも見よ。悩んでもしょうがないわ。」
そう言ってベットから体を起こして、俺はさっき教えてもらった言葉を唱えた。
「開示…」
すると、目の前に半透明なウィンドが出現した。
「うぉ、ほんとに出た。…スゲー、一気に異世界感増したわ。てか『開示』って名前カッコよ。」
そんなことを言いながらも、改めて自分のステータスを確認した。
【名前】 神山大地
【レベル】 1
【職業】 救世主
【攻撃】 150
【守備】 190
【俊敏】 75
【魔力】 ー
【魔法】 なし
【固有スキル】 ノベル
と、こんな感じでさっきと変わりなかった。
このレベルというのは、どんな世界でも同じらしく100まで上がり、それと同時にステータスが上がるというものだ。テンプレ中のテンプレだな。
俺のステータスについてはこうだ。
攻撃と守備の人間の平均はそれぞれ100と110ほど。俊敏は50がいいぐらいだ。
つまり、俺のステータスは意外と高かったというわけだ。
最後に魔力だ。
俺の魔力がないのに関しては驚かれたものの、この国においては別に問題ではないようだ。
この世界には魔力を持たない人も少なからず居るとのこと。
そもそもこの国が武力中心なので、魔法に関しては二の次らしい。
もし、この国が魔法を崇高しているのなら、俺は殺されていたかもしれない。
そして、最後に俺の『ノベル』についてだ。
これに関してはまじでわからん。さっき声に出してみたが何も起きなかった。
ウィンドをタップしても変化なし。
「全然わかんねー。つーか、説明書ぐらいつけろよーー!!!」
そんな声が城に響くのであった。
レンカ「? 今、何か聴こえたような?気のせいでしょうか。」
大地「やっべぇ、明日絶対怒られる。ゴメンナサイ」