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第九話 迷探偵大地

相変わらずの不定期投稿ですが、なんとか頑張ってます。

 うぅ~ん…、あれここどこ?なんで俺倒れてんの?

 さっきのは夢?にしてはリアルだったんだけど。

 っていうか頭痛っ!いや、違う、体中痛ぇ!?なんでぇ?


 慌てて飛び上がり、急いで自分の状態を確認する

 体には怪我や打撲はないものの、猛烈な倦怠感と筋肉痛のような痛みが全身に襲ってくる。

 これには少し顔をしかめた。

 俺、車に体当たりでもされたんか?


 思い出せ思い出せ、今の俺の状況を。


 えぇ~と、確か今日は訓練をする日だった。だから訓練場に俺はいる。うん、それは間違ってない。

 確か訓練は、最初は…あっ、肉体づくりのために腕立て、腹筋、スクワットを各種百回ぐらい、体力づけで40分位走ったんだ。かなりキツかったけど、なんとかできたんだ。筋トレしててよかった〜。

 

 それで、その後は…何したっけ?

 うーん、思い出せない。そんなときは、周りを観察してみよう!

  

 俺は、屋外の訓練場の端っこにある日陰の下に寝かされていた。


 「セイッ!ヤッ!ハァッ!」

 なんとも、一体感のある声が中央から聞こえてくる。

 広場中央では、6×6のが等間隔に広がって、拳を前に勢い良く突き出していた。空手などの型と呼ばれるようなものかな。

 あいにく、自分は武道とかに触れずに生きてきたのでそこら辺への解釈は、ふわっとしてる。

 でも、自分の知っている空手などの武道よりも圧倒的に威圧感があった。

 まあ、実際に魔物と戦っているし、生きるか死ぬかが決まるわけだから、普通なのか。


 「それにしても、揃ってるな〜。」

 動きがずれることなく、ピッタシに揃っているので少し驚いた。

 

 おっと、つい見とれていた。他のものも見てみよう。

 中央から視線を外し、今度は端っこに並べられている木刀に目がいった。


 木刀か…、確か、筋トレの後素振りをして…、…あっ!!思い出した!

 …フフフ、ついに解けたぜ。この事件の全貌がなぁ!!


 心のなかで大きな木の扉が閉まって、開いた気がする。


 この事件(なぜ俺は倒れていたのか?)の全貌はこうだ。

 訓練場にて筋トレを終わらせた俺は、木刀を使った打ち込みの後、模擬試合をしたのだ。

 両手剣の持ち方が意外と難しかったが、レンカさんが丁寧に教えてくれたのだ。

 そして迎えた模擬試合、俺、正直異世界舐めてた。主人公パワー見せたるわ!とか思ってたら痛い目見た。


 全っ然、体が思い通りに動かなかった。

 異世界に行くとボーナス的なやつでチートスキルとか諸々もらうと思うけど、その中に地球の格闘技とかをやったことはないけど何となく繰り出すと案外うまく行った、みたいなことあるじゃん?

 要領がいいっていう可能性もあるけど、普通習ったこともない物を見様見真似でするとか、無理でしょ。

 主人公たちは、異世界特典の高いステータスと、それまでに蓄えた豊富な知識によって”異世界最強”とかになったわけだ。

 確かに、俺のステータスは平均よりは高いけど、それは異世界に来たことによって少し高くなったのだ。(正確なことはよくわからんが)

 地球に居た頃に比べて、少し体力が増えていたのは訓練によって感じている。じゃなきゃ、腕立て100回とか絶対無理無理。

 あと、さっきも言ったように俺は武道とかスポーツとかにめっぽう疎い。だから豊富な知識とかもない。

 結論、身体能力は上がった。でも、体がついて行ってない。 

 つまり、攻撃してくるのは見えてるんだけど、避けれないっていう…。地獄かよっ!!


 そこからはできるだけ当たらないように頑張って避けたよ。

 慣れっていうものは凄いもんで、暫く経つと段々と自分の動きたい通りに体が動くようになった。

 

 だからといって、ことが良いように行くはずもなく、普通に負けた。すっごく負けた。フルボッコにされた。

 はじめてということで、打ち合いと言っても本当に叩かれることはなかった。しかし、この短時間での運動量は地球にいた頃とは比べ物にならず、体はすぐに動きが鈍くなった。

 

 途中、何度レンカさんに助けを求めたことか。

 「まだまだいけますよ」の一点張りで、休める気配ゼロだった。

 案の定、活動限界が来た俺は走馬灯のように少し前の出来事を思い出しながぶっ倒れたと言うわけだ。


 謎解決!!


 じゃないよ!何も解決してねーよ!俺、普通に羞恥プレイになっただけじゃん。

 どうしよう、レンカさんになんて言われるんだろう…。

 『救世主様…、いと美しゅうございますね。』とか言われるのかな?

 俺がもし、武術も剣術もダメだったら…、ウッ悪寒が。

 どうにかせねば…。

 

 向こうで水分の準備をしているレンカさんにバレないようにゆっくりと立ち上がると、俺は訓練場を後にした。

 忍者ごっこをしてるみたいでちょっと楽しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そろそろ異世界の厳しさを、主人公に分からせてやろうと思います。フフフ…。

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