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忍びの感情

茜に言われた言葉のショックが抜け放心状態の中、暗い夜道をトボトボと旅館への帰路についていた。




 調子に乗るなよ・・・?




 俺の少しの期待を壊すように茜が放った鋭い言葉が胸に突き刺さる。俺が危惧していた事が実際に起こってしまった。


 だが茜の言っている事は少し引っかる。


 茜が言っている事を思い返すと、まるで俺がアリスを引退させようと策略していた様に聞こえた。


 何か致命的な勘違いが起こっている・・・?


 いくら考えても答えらしい答えが出てこない。そうこうしているうちに旅館から漏れる光が俺の下駄を淡く照らしていた。


 考えても答えが出て来る気がしない。その時俺は一つ茜が言っていた事を思い出した。まずこの問題を広めた張本人に助けを求めることにした。


 


 自分の個室に戻り、件の人物にDiscordで通話をかける。その人物は十秒くらいで繋がった。


「なんや? こんな夜遅くに・・・、確か兄ちゃん二期生のメンツと一緒に旅行に行ってなかったか?」


「すみません。火夜さんに少し相談がありまして・・・」


 俺は茜が火夜さんにアリスのストーカー事件について聞いた事を思い出し直接聞いてみることにする。


「相談? 何や、またアリスと喧嘩したんか?」


「違いますよ・・・。あの・・・、もしかして俺とアリスの喧嘩話を所属ライバーの人たちに広めました・・・?」


「ああそれか、しっかり広めといたで。まあ箝口令を敷いといたから安心しとけ」


 火夜さんは特に悪びれもなく言った。


「なんで広めちゃったんですかね・・・」


「なんでって、そりゃあんな話があったら話さずにはいられないやろ」


「火夜さんが言いふらしたせいでこっちは大変なんですよ? 今回はその事についての相談なんですけど・・・」


「お?言ってみぃ」


 その後、俺は今日あった事を火夜さんに包み隠さず話した


「あー、綾花か。あいつはちょっと仲間思いのところがあるからな、兄ちゃんも配信見てりゃあ何となく分かるやろ」


 茜及び服部綾花は配信で所々仲間思いな一面を見せることがある。彼女の雑談でも二期生が困っている時には相談や、時にはその行動力を持って問題を直接解決していったりと配信で本人や他の二期生が話している事をまとめれば切り抜きが十個ぐらいは作れる。というか俺も実際三個切り抜きを作ったのでそのへんはよく知っている。


「仲間思い? 茜が仲間思いなことは知っていますが、それが今回の件と何か関係が?」


「ホント鈍いなぁ・・・。これは当事者だけで解決してこい、以上」


「えぁ? ちょっと! 火夜さん? 切れてるし・・・」


 火夜さんは俺の疑問にろくに答えず一方的に通話を切ってしまった。 


「んな無茶な・・・」


 元はと言えば火夜さんが喧嘩話を喋ったせいで俺が苦労しているというのに、何とも無責任極まりない対応にこっちはタジタジだ。


 さてどうしようか・・・。当事者だけで解決しろと言われてもな・・・。


 頼みの綱の火夜さんを失い今度こそ打つ手がなくなってしまった。途方に暮れていると携帯のバイブで我に返った。


 スマホ画面を見ると秋津さんから電話がかかってきている。時刻はすでに二十四時をまわっている。


「こんな時間になんだ?」


「ごめん寝てた?」


「いや起きてるよ」


「ちょっとさ・・・、外出ない?」


 




「こんばんは。お話しようよ」


 俺が来た時ポツリと言い、秋津さんはそこに立っていた。


 電話の後、特にやることも無かったので俺は秋津さんの提案通り旅館の外に出ることになった。


「それで何だ?こんな時間に外に連れ出して」


「あきくんさ・・・。ニンニン・・・、茜ちゃんと喧嘩してるでしょ?」


「っつ・・・!」


 核心を突く発言に俺は顔をしかめた。


「あっ? やっぱりね」


 図星とも言える俺の反応に特に驚く様子もない。


「いつから気づいてたんだ・・・?」


「ん〜、新幹線に乗ってから疑問には思ってたけど射的屋で確信したよ」


「は・・・? 新幹線から?」


「そうだね。新幹線に乗っている時にあきくんを見る目つきが悪者をやっつける時の目だったからね。それで射的屋の時とかモロに敵意出してたしね。茜ちゃん感情を隠すの苦手だし。それと一年近く一緒にいるしこれぐらい分かるようになるよ。多分二人も気づいているんじゃないかな?」


 仲間の絆だろうか、どうやら二期生の皆にはバレているようだ。


「てか、悪者をやっつける時の目って何だ?」


「んとね、ちょっとここで話すのなんだから場所変えよう?」


「分かった」 


俺たちは藍色にライトアップされている湯畑に来た。


「せっかくだからここで喋ろう?」


 秋津さんが指し示したのは旅行者用に無料開放されている足湯だ。


「そういえば昼には入らなかったしな」


 下駄を脱ぎ長方形の横に長い浴槽に水深二十センチにはられた湯に足を浸す。熱めのお湯に最初はすぐに湯から出そうと思ったが、徐々に熱さに慣れ足しか使っていないのにも関わらず程なくして全身が温まってきた。


 秋津さんも俺の隣に座り、同じ様に湯に足を浸していた。


 前を見ると商店街の光と藍色にライトアップされた湯畑が幻想的な世界を醸し出していた。


「温かいね〜。昼の時とか観光客でいっぱいだったけど夜だとまた違って良いね」


「そうだな・・・」


「それじゃあ茜ちゃんのことなんだけどね・・・」


「ああ・・・」


 それから少しの間を置いて秋津さんが咳払い一つした後、話し始めた。

補習祭りでここ最近全く執筆出来ませんでした・・・。(留年は回避出来たよ!!)

こんにちは。490です。

いやもうね・・・、学校の補習で執筆時間がまあ無くてね・・・、一週間も投稿出来ませんでしたよ。

ちょっと急ぎで書いたので本文が短いのは許して下さい・・・。


最後にこの物語を読んでくれている読者様に最大限の感謝を。

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