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射的大会!

「あきくん遅いよ〜。それじゃあ行こうか」


 「おっおう・・・」


 茜の突然の拒絶の言葉を聞いた後、俺は何が分からないまま旅館の前で待っていた秋津さんたちと合流した。視界の先には楽しそうに話している二期生の四人、つまりさっき俺を拒絶した茜も含まれている。


 どういう事だ・・・。俺にあんな事を言ってきて何がしたい・・・?


 茜が言っていた事から推測するに俺が秋津さんと会う前からストーカー被害に悩まされていた。それで俺が割って入って泣かせた?そんなはず無い。あの夜は確かに言い合いになって泣かせてしまったがそれは直接事件には関係ないはずだ。


 何か勘違いをしている・・・?


 この問題について考えれば考えるほど疑問が絶えず消えない。




 「ここだね。私が調べた射的屋さん」


 前方の四人が歩みを止めたので一旦思考を中断させ前を見てみるとコルク銃と射的の文字が書かれた旗がのぼり旗が立っていた。


 「結構雰囲気あるね」


 「そうだね〜、これは取りがいがありそうだよ〜」


 四人の後に続き店に入ると天井には赤ちょうちんが何個もぶら下がっており、店内は地元のお祭りのように賑やかだ。


 「それじゃあお前ら〜!弾は持ったな?命令権を賭けた射的の開催だ〜!」


 『お〜!』


 まだ疑問は解けていないが茜主催の射的大会が始まった。


 


 「はい、二十発千円ね」


 店主から祭りの射的などでよく見るコルク銃とコルク玉を貰う。


 大会のルールとしては、まずこの射的屋ではポイント制を採用しており棚に置いてある人形を倒す事によってポイントが入り景品を受け取れる仕組みだ。人形によってポイントが違い点数が高い程倒すのが難しくなっている。


 そして大会ではこのポイントが一番多い人が優勝という事だ。優勝賞品はゲリラ配信で言っていた時と少し変わり、優勝者は誰か一人に対して命令を出来るというメジャーなものに変更となった。


 銃と弾はあるので早速始めてもよいのだが、先に始めている二期生の様子を見てみることにする。


 「あっ!当たりました!」


 「凄いですよ〜。これで一ポイントゲットですね」


 鹿野さんは小さな体躯であるにも関わらず器用に弾を標的の人形に当てていた。


 百合草さんはこの大会からはすでに降りており鹿野さんのサポートに回っている。


 一方あいつはというと・・・。


 


 「あきくん〜・・・。ヘルプ〜・・・」


 ゲリラ配信ではあんなに射的が得意だと豪語していたのにすでに残弾が半分になっているのにも関わらず、一発も人形に当たっておらずこちらに助けを求める姿があった。


 「何が射的が得意だ・・・。あんなに得意とか息巻いてたくせにこのざまか?」


 「うぅ〜・・・、面目無いです・・・」


 「仕方ないな・・・脇を締めて銃を構えろ、俺が補助してやる」


 俺は秋津さんの後ろに立ち右往左往しているコルク銃を支える。


 「まず引き金は聞き手逆の手でかけろ」


 「逆の手で・・・?どうして?」


 「聞き手でやると逆に力みすぎて発射時に銃口がブレる」


 「へー、そうなんだ」


 「次にストックに頬をつけろ」


 「ん・・・」


 俺の指示通り左頬をコルク銃のウットストック部分にピッタリと付け、正しい射撃姿勢が出来上がった。


 「後は銃口を人形に向ける。この時に人形の眉間辺りを狙え、その方が倒れやすくなる」


 「分かったやってみる」


 ゆっくりとコルク銃の銃口が人形へ向き、後は俺が微調整する。


 引き金が引かれパンとシャンパンの栓を開けるような音が銃口から鳴り、コルク玉は人形の眉間に吸い込まれ呆気なく棚の後ろへと落ちていった。


 「やった!やった!落ちたよ!」


 人形が落ちただけなのにまるで子供のようにはしゃいでいる。


 「ああ良かったな。これも俺の指導のおかげだな」


 「むぅ〜、こう場面では『君が頑張ったからだよ・・・』とか言うのがお決まりだよ?あきくんは本当に着飾らないよね」


 「お前が調子に乗りすぎるのを抑えるのも俺の役目だからな」


 「所でさ。なんでそんなに詳しいの・・・?」


 俺の謎射的知識に疑問を呈してきた。


 「まあ・・・母さんに連れ回された結果だよ・・・。射的とか他にもサバゲーとかもやらされたしな・・・」


 「そんなんだ、お母さん多趣味なんだね。私のお母さんは良く言えば放任主義だからこうゆうの羨ましいよ。あきくんのお母さんに会ってみたいな〜」


 「あっ・・・あぁそうだな・・・。それじゃあ後は一人で頑張れよ」


 「は〜い!」




 下手っぴの補助はこの程度にして恐る恐る茜の方を見てみる。


 「なんであんなんで倒れるんだよ・・・」


 率直な感想が口から漏れ出た。正直に言うと茜の射撃姿勢は酷いものだった。秋津さんよりかは悪くは無いが茜がやっているのは所謂片手打ち。片手打ちは格好はつくが銃口のブレが両手で構えるときの比ではない。それを茜は約一キロはするコルク銃を一切のブレなく人形に当て、次々と人形を倒していっている。


 これは茜が、いや服部綾花が見せる身体能力の高さを物語っている。


 これは負けてられないな・・・。


 久しぶりに俺の闘争心に火が付いた。


 手早くコルク玉を詰め、コルク銃を構える。手始めにこの射的屋で一番ポイントが高い赤人形に照準を合わせ引き金を引く。俺の放ったコルク玉は人形にクリーンヒットし落下した。


 「よしっ」


 まずは一体。


 すぐさま次弾を装填し近くの赤人形に照準を合わせたが隣から飛んできたコルク玉に撃ち抜かれてしまった。


 どうせ茜だろう。俺はすぐさま隣にある三ポイントの緑人形を撃ち抜いた。


 そこからは高得点の赤人形を中心に倒していく、途中で茜の妨害もあったが順調に人形を倒していった。


 時間にして約二分の射撃であったが集中していたせいか体感二倍近くの時間が経っているかの用に感じた。


 隣を見てみると茜もコルク銃を置いている。


 「そ・・・それじゃあ集計いこうか・・・」


 同じく集中していたのか疲れが見て取れる。


 


 大会の結果としては


 


 秋津・・・十七点




 鹿野・・・八点




 新実・・・四十二点




 俺 ・・・四十五点




 「はーい。優勝はオリモトくんでぇーすー」


 「自分が負けた途端に一気にやる気無くすの止めろ」


 とまあ、この大会の優勝者は僅差で俺ということになった。


 「それじゃあユーショーシャは命令を何でも一つ聞かせる権限をゾーテーしまーす。ユーショーシャ、命令は?」


 疲れているのか部屋の前と本当に同じ人とは思えないぐらいに気だるげなっている。


 「う〜ん・・・。取り敢えず命令は明日までに取っておいといていいか?」


 「一番つまらない答えですね・・・。まあそれでも良いですけどねヘタレ野郎」


 「毒舌が酷いな敗北者」


 「はーい!解散ね!かーいーさーんー!」


 旗色が悪くなったの察してか、すぐにお開きの雰囲気になった。


 


 「帰りますか・・・」


 あの後、酷く疲れたので射的屋の前のベンチで休息を取っていた。


 にしても旅館での出来事が嘘のようだ。もしかしたら俺の取り越し苦労だったかもしれない。


 「釘をさしにきたよ。何が言いたいか分かるよね?今日は穏便に済ませてあげるけど、調子に乗るなよ・・・?」


 「おいっ、さっきから俺に恨みでもあるのかよ。さっきもそうだったけど、いきなり言われても何が何だか分かんねぇよ」


 「あんたには分からないさ・・・。でもあたしはあんたの事を許さないから」


 そう吐き捨てまたしても茜は俺の前から消え去った。


 「一体何だっていうんだよ・・・」


 また一人残された俺の心にはやりようのない感情が渦巻いていた。

期末考査が終わり現在晴れ晴れとした気持ちです(まあ4教科赤点なんですけど・・・)。

こんにちわ490です。

明日は英演の補修いうことで本格的に留年の危機が迫りそうな今日このごろです・・・。


とまあ、小説では茜が主人公に歯向かってくるのですが、イマイチこのような描写上手く書けてないので何書いているんだこの作者?と思われるかもしれませんご容赦ください・・・。取り敢えず書いて経験を貯めるしかないですよね・・・、頑張ります。


最後にこの物語を読んでくれている読者様に最大限の感謝を。

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