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遡れTime!

「博士、いよいよですね。」


 地下にある秘密の研究所で俺は博士に言う。

 俺の名前は風見明かざみ あきら。この研究所で博士の助手をしつつ、研究の成果である「転身」を用いて悪の秘密結社エクスキューショナーズと戦っていた。


 だが、博士の研究の完成は世界にとっては遅すぎた。俺が転身出来るようになった時には既に敵は世界の大部分を征服した後で、俺がどんなに立ち向かってもそれは焼け石に水だった。


 だが


「うむ、この時空転送装置を使えば君は過去の自分に融合する事が出来る。過去の君自身には気の毒だが、その際にメインの人格となるのは今の君になる。そして転身装置を有した君が、勢力を拡大する前の敵を叩けば未来の世界は平和になるという事じゃ。」


 エクスキューショナーズは常人ではとても太刀打ちできない怪人を街に送り込み、一方的な破壊を行って占有を繰り返してきた。そうしてじわじわと勢力を拡大して、気が付けば世界はボロボロに叩きのめされていた。

 機械で出来た兵隊たちに人間の兵隊は駆逐され、人々は逃げ惑う事を余儀なくされ捕まれば奴隷の様に扱われる。


 最悪の未来だ。


「平和になるかどうかは分かりませんが、少なくともエクスキューショナーズによる暴虐を止めることは出来ますね。」


 エクスキューショナーズを止めたからと言って、世界が平和になると言うのは甘い考えだろう。博士は希望的観測で、いや、エクスキューショナーズに蹂躙された世界では人類が争うどころの騒ぎでは無かった。だから、奴等を止める事が出来れば世界が平和になると思ってもそれは仕方のない事なのかもしれない。


「うむ、だから頼む明君。儂は一緒に行く事は出来ん、しかし過去にも儂はいる。先ずは儂を探して協力を仰ぐのじゃ。その為の手段は、しっかりと覚えたはずじゃ。」


 時空転送装置を使って送り出せるのは一人。つまり俺は一人で過去に行かなければならない。もし過去にいる博士の協力が得られなかった場合、俺は一人でエクスキューショナーズと戦わなければならなくなる。


 それだけは避けなければ。


「では装置を動かすぞ明君・・・世界を、守ってくれ。」


「はい!博士。」


 博士が装置のレバーを上げる。すると俺の周囲に稲妻が走り、時空が歪んでいく。そして一瞬の鳴動の後、俺の体は一瞬にして過去へと向かった。


 悪の秘密結社エクスキューショナーズがその活動を開始し始めた年。


 西暦2000年へと。

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