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92話

「知ってる事があるなら言うに越した事は無いよなぁ」 ナイフを相手の目の前に突き刺し、警告する。

「て、てめぇに話す事なんか――」 アタシは右手の人差し指を掴み、ゆっくりと手の甲に向けて曲げてやると痛みの訴えが響き渡り、「調子乗ってんじゃねぇぞこのガキ!」 騒ぎを聞きつけ、仲間と思われる2人が魔法を使うのが見え、男の右腕を膝で押さえ、右のサイドバッグに手を入れ、魔法を発動し、撃鉄を手の平で叩く。

 発射された2発の弾丸は男達に命中し、崩れ落ちる。


「あ、あわわわわ」


「さぁ、話す気になったか? 世の中には2種類の人間がいる。 素直な奴と素直じゃない奴」 反対方向へと力を籠めると折れ曲がり、まるで小枝を折った時の様なその振動が握る指を通して叫び声と共に伝わる。



「ひでぇ…… ひでぇよぉ おれの指がぁぁぁぁ」 


「あなたが噛んだ何とやら……」 アタシは次に小指を掴み逆方向に一気に曲げ、折れた小指がだらりとあらぬ方向に折れ曲がり、男が泣き叫ぶ。


「いい加減アタシの趣味じゃないから早く話せ」


「話す! 話すからぁぁあぁ」



 男の話によるとこの辺の村を荒らしている自分の所属する盗賊の物で、そのダガーは数人しかもっていない特別製の代物。

 持っていけば金は貰えて、ついでにアタシを犯して、奴隷に売りさばくことまで考えていたらしい。



「おっさん、当てが外れたな。 離してやる前にお前の魔石は何処だ?」


「な、何でだよ」


「後ろから魔法でも使われたら危ないだろ」


「そんな事しね――」 中指を握り、力を少し入れると慌てて左の耳に魔石の付いたピアスがある事を告げられ、アタシはそれを外し、ポケットにしまい、約束通り、男を開放してその場を離れる。


「こんな事して唯で済むと思ってるのか? 俺たちの後ろには――」 アタシの背後から飛んできたナイフが男の額に刺さり崩れ落ちる。

 振り向くと誰かが逃げるのが見え、アタシは走って追いかける。

 屋根を走るフードを被った人影を追い、アタシも走るが相手の方が早く追いつくことが出来ない。

 それならと銃を撃つが上手く当らない。


(一か八か……) スキル【鷹の目】を発動すると(な、何だよ…… これ!?) 以前とは違い、狙いたい方向に線が見え、「これなら!」 アタシは相手の肩に向けてトリガーに指を掛ける。

 発射音と共に吸い込まれる様に命中し、相手は屋根を転がり落ちていくのが見え、「確かこの辺に落ちたよな」 地面の血の跡を追っていくと息を切らし、肩を押さえて座り込む人物を見つけた。


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