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80話

疲労感が全身を襲い始め、やっと今日の訓練が終ると膝の力が抜け、銃が消える。

 足元に弾丸が転がり手を伸ばすがその場に座り込む。



「お疲れ~ はい、お水」


「ありがとな」



 喉を流れ、冷たさが胃に届くと大きく息を突く。

 ポケットから煙草を取り出し、火を点けて煙を吐き出す。



「次の課題を言うぞ」


「もうちょっと待ってくれない?」


「いいか、時間は待ってくれねぇ タバコを吸いながらでもいいからしっかり聞け、大事な事だ。 お前の魔法の安定させる為に詠唱を考えてもらう」


「詠唱!?」 今までの訓練を見た結果、アタシの魔法が安定していないのはイメージがしっかりできていない事が考えられ、詠唱をする事でイメージの強化が魔法の強化に繋がると結論付けられたという事だった。



「詠唱ってどうやって考えるんだよ」


「こればっかりは感覚でしかねぇ まぁしっかり考えるこったな」




 極度の疲労間の中、夜の酒場が終わり、店内を片付ける。

 新調されたテーブルや椅子を拭き終え、仕事を終え、アルエットが淹れてくれたコーヒーを飲むアタシの顔をじっと見ながら、「そのままで苦くないの?」 不思議そうな顔で聞かれ、「こっちの方がすきなんだよ」 と答える。



「ふ~ん、変わってるね。 それよりさ、詠唱は思いついた?」


「仕事に集中してて考えてねぇよ。 それにこの魔法よくわかんねぇよ」



「自分の魔法なのに~?」 さえずるように笑う彼女にアタシは少し、ムッとしてタバコを吸っていると「ごめんごめん。 魔法が使えない感覚がわからなくってつい」 笑う彼女を見て明らかにバカにしていると感じたアタシは彼女の胸倉を掴む。

「なに? だって事実だよね」 怯む事無く青色の眼が真っ直ぐアタシを見る。


「あぁそうさ 周りの奴はみんなそう言ってアタシをバカにしてきたんだ。 どいつもこいつも魔法が使えるからって偉そうにしやがって!」 殴りかかろうとした時、彼女は仰け反り、拳は空を切ったかと思うと後方に飛ばされる。



「あぁーあ、いい加減、相手を見て喧嘩を売る事ぐらい覚えなよ」 両手の翼で浮く彼女。

 自分に一体何があったのか理解ないが、腹部の痛みだけは理解できた。

「あぁさっきのは魔法でも何でもなくて、羽で身体を浮かせて両足で蹴っただけだよ。 ほら、ハーピィだからね」 床に降り、ご丁寧に解説する彼女に苛立ち、「ったく、泣けるぜ」 腹部を抑えながら立ち上がる。



「まだ続ける?」 挑発する彼女に右ポケットから忍ばせておいた弾丸を取り出そうと手を入れる。

「遅い!」 鋭い爪が蹴りと共にせまり、左前の構えからとっさに右足を軸にして左足を後方、そのままポケットから右手を出し、相手の蹴りを右手刀を打つと同時に右足で相手の腹部にケリを打つ。

 相手の腹部に刺さり、「グブッ」 と相手から聞こえ、正確に腹部に当てれている事が確認でき、掴まれないよう素早く足を地に着け、そのまま、指の背で目に軽く打ち込む。

 目を打たれ、怯んだ隙に低い体勢から左足を踏み込むと同時に左拳を相手の右脇腹に叩くが彼女の右の拳が左頬を打たれ、二つの大きな音が店に響く。


 立ち上がり、不快な鉄の味を吐き出す。

 彼女も立ち上がり、相手を睨み、再び構えていると「てぇめぇらー 今、何時だと思ってるんだ!」 と上からネグリジエを着たグエルに二人そろって頭を叩かれた。


 涙目になりながら「喧嘩を売ってきたのは――」 と言い訳するアリエットが「言い訳無用」 と再び叩かれるのを見て笑っていると「てめぇもだ!」 と後頭部を叩かれた。



「揃いも揃って、深夜に俺の店で喧嘩とは言い度胸だ。 明日の訓練は覚悟しとけよ」 と身震いするアタシを余所に「ざまぁみろ~」 とアルエットを見て「お前もだアルエット」と死刑宣告に「な、なんでさ」 と涙ながらに抗議するが受け入れられること無く、アタシ達はグルグル巻きにされ、二人揃ってそのまま夜を明かした。


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