78話
「一つ作っては明日の為~ 二つ作っては誰の為~」 歌いながら出来たのも最初のうちで石から10発の弾丸を作り上げたが、魔石を使っているとはいえ蓄積された疲労と共に目の前の景色が揺れ、気を失うと水を掛けられ、覚醒を促され……
「……29、30っと ふぅ、今日はこんなもんか」幾日かすると1日の生成量や生成スピードが上がり、上手くいけば30発は生成できるようになり、達成感にタバコを吸いながら酔いしれる。
「さぼってねぇで次行くぞ!」
「わかってるって」 タバコと弾丸をバッグに入れ、向かった先には魔物が多く生息する森での射撃。
グラウから課題としてスキルを使わずに目標物により素早く当てる事と言い渡され、最初は意味が分からなかったが。
「たとえスキルであっても魔力を使う。 生かしきれない無駄な魔力を喰うスキルだから使うな」と言われ、不満はあるが今は納得している。
もう一つの課題は自分の魔法に対しての理解。
「ギャウ」 ドサリと崩れ落ちる小型のトロールの頭部に弾痕、後頭部からは血液と中身が少々。
血の臭いに吐きそうになるがトロールは待こと無く襲い掛かって来る。
撃鉄を何度も叩きトリガーを引き残り5発を撃ち尽くし、弾丸を装填するが棍棒による攻撃を避けた際、弾丸を一つ落とすがそのまま撃つ。
カチッと音だけで弾丸が発射されず、一瞬、何が起こったのか分からず、慌てて弾を2発入れると1発は銃をすり抜け、地面に落ちる。
もう一度、撃鉄を下ろすと狙う間もなく弾丸が発射され、トロールの肩に命中。
(な、なんだよ今の!?)
「ボーっとすんじゃねぇ!」
「わかってるよ」 と手負いのトロールに止めを刺す。
「ひい、ふう、みい…… 20か まぁ今日はこんなもんか 耳切り取っとけよ」
「わかったよ」 トロールの耳は魔法薬の材料になるらしく、切り取って袋に入れていく。
慣れてはきたが血の臭いはやっぱり苦手だ。
夕刻前には戻り、ハーピィのアリエットにトロールの耳を渡しアタシは夜の酒場の営業の為、店の仕込みを手伝わされ、その後はホールで接客に盛り沢山な日々を過ごす事となる。
アリエットは優しいがグラオは厳しく少しのミスもどやされた。
「こぉらぁ、サボってんじゃねぇブロンディ!」
「サボってねぇよ。 こっちも忙しいんだ」
「グラウ、ブロンディもだいぶ様になって来たな」
酒を置いたテーブルにはダナンさんが上機嫌に声を掛けてくれる。
店で働いている噂を聞いてアタシの事を心配してか、こうして店に通って様子を見に来てくれている。
たまに夕食を食べにレミルやメルさんも来てくれていた。
「メルさんやレミルは元気か?」
「あぁ、レミルは最近、魔法を使い出してな。 あたいもブロンディのお手伝いするんだって張り切ってるよ」
心が少しむず痒くなっていると「ブロンディより才能はあるかもな」 とグラウがエールを片手にダナンさんや他の門兵たちと盛り上がるっているのを皿を片付けていると「ブロンディちょっと来い」手招きをされたので皿をカウンターに持っていきグラウのいるテーブルに向かう。




