68話
あれからギルドについたのは真夜中でアタシ達は疲れ切っていた。
疲労困憊に身体の傷、早く帰って休みたかった。
「お腹すいたわねぇ」
「ブロンディ、タバコ吸いながら歩くと煙たい」
「うるさい奴だな」
帽子の上から頭をグリグリ撫でると「やめろよぉ 煙女」 と頬を膨らませ、怒るアル。
ギルドに戻り、マリカが受付でクエストの報告をしている間、アタシ達は食堂でそれぞれ飲み物を口にしながら待っていた。
マリカ達と組んでから依頼を着々とこなし、アタシのランクはクオーツから末端のトパーズにランクが上がっていた。
マリカ達はトパーズと聞いていたが、アタシの為に依頼のレベルを下げていたので、これからは少し、レベルの高い依頼も受けるらしい。
「それにしてもブロンディって不思議な魔法を使うんですね」
「そうか? アルやマリカ達と何ら変わりないと思うけど?」
「興味があるから、僕にちょっと見せて?」
「疲れてるのにめんどくせぇ」 アルに目を潤ませ迫られ、仕方なく魔法を発動する。めんどくさいとは言うがアタシも気にはなっていた。
魔法を見せるとまるで、子供のように目をキラキラさせ、アタシの魔法を見る様子を眺め、コーヒーを飲んでいると、ふと姉として慕っていた時のケイトの姿と重なる。
「う~ん、見れば見るほど不思議。 僕もこんな複雑に絡んで安定している魔法は見た事ないよ」
「複雑に絡んでいるって何だ?」
「ブロンディってほんと何にも知らないだね」 とあきれながらアルが言うには、魔法とはその属性を中心としてほかの属性の魔法も少なからず混ぜて使う。
例を上げるとアルが使っていた火球は火の魔法を中心に形成に土属性、飛ばす際に風属性と少なくとも三つの属性を使っている。
アタシの場合、形成は土、破裂音は恐らく火、飛ばすのは風と三つの属性だがこれだけではどうしても説明しきれなかった。
「使用している属性の数はアルと一緒だが――」
「これを見てよ」
そう言うとアルがアタシの魔法を再現しようとするが杖に付いた魔石は軽く光るが発動しアタシの様に手から出る事は無かった。
「ね! やっぱり、変なんだよ。 ブロンディって、どこでそんな魔法習ったの?」
「世の中には2種類の人間がいる。 聞く奴と答える奴だ。 いい女には秘密が付きもんだろ?」
「ブロンディって女の子だったの?」
「てめぇは子供じゃねぇか」 と強めにアルの頭をなでると「僕は子供じゃない! 冒険者なんだ」 と少し怒ったのか、膨れ面をしながら帽子を深くかぶる。
子ども扱いしたことを謝ると軽くうなずき「ごめん」 と一言。
(まずかったな) とアタシはコーヒーを飲み、タバコに火をつけ煙を吐き出す。
「何かあったの?」 とマリカが3人分のパンと焼いた肉をトレイで持ってきた。
何かを察したのか、「もしかして子ども扱いした?」 とピンポイントで言われて「あぁ、ちょっとな」 としか返すことが出来なかった。




