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プロローグ②

 どうやら事態の好転の為に、もう一度、あのバーテンと話す必要があるようだ。

 カウンターに戻り、さっきの席に座り直し、飲み残していたウイスキーを飲み干す。


「タバコの火、お願いできるか?」


「は、はい」


 タバコを吸い、落ち着いたところで現状を整理する。

 死んだと思ったら、バーに誘導され、閉じ込められた。

 おおまかにはこんな感じだ。


 しかし、ある疑問が浮かぶ、あのバーテンの事だ。

 俺は一度も名前も言っていないのに、なんで(彼女は名前を知っているんだ?) 考えられるのは閻魔大王の使い、またはここが善悪を見定める試験なのか……

 いずれにせよ。

 彼女が事情を知っているのは間違いないと思い、その為にも最初の疑問解消の為に彼女に話しを聞く事にした。



「嬢ちゃん……さっきは怒鳴ってすまなかったな」


「い、いえ、こんな状況で怒るのは無理ないと思います」 と気丈には話しているがまだ涙目だ。

 しかし、真実を聞かなければ先が進まないが、怒鳴りつけてもらちが明かない。

「お前さん、何か知っているようだな」 と俺は娘に話すように優しく彼女に問いかけた。



「な、なにも知りませんよぉ」目は泳いでるし、不自然に口笛なんか吹きやがって、しかも吹けてない。

 よほど俺に知られてはまずい事があるのは分かったが疑問が全て解けたわけではない。

「ここって実は閻魔様の面接か何か?」 と俺は続けて質問する。



 扉が開かない、俺の名前を知っている事から恐らくはこんな所だろう、

 安易な考えとは分かっているがさてどう出るのかが楽しみだ。


「違います。だってここは――ハッ!」


「ここは何だって?」


「た、ただのバーですよぉ」


「じゃあ、なんで初めて来た俺の名前をお前さんが知ってるんだ?」と決定的な一言を放つと、彼女は観念したのか、つらつらと話し始め、要約すると彼女は使い魔で、ボスが貴方に用事があるからここで足止めして欲しいが、ただ足止めするのも悪いからせめて、お酒やタバコでもてなしてくれとの事らしい。



「泣けるぜ」


「ティッシュならここにありますよ」 とカウンターの下から箱に入ったティッシュを目の前に置かれ「はぁ……」 とため息をつく。



 一体、誰が何のために、俺をこんな所で足止めするのかは分からない…… だが(話しがあるってんなら聞いてやろうじゃねーか) と気持ちを切り替え、吸いかけのタバコの火を新しいタバコに点け再び吸っていると電話の電子音のメロディーが鳴り、

 どうやらバーテンの携帯の様で、発信者を見て顔面が強張り、俺に会釈をし、店の奥に引っ込「あ、もしもしボス?」 と微かに声が聞こえる。



 察するに、どうやら相手はさっき話していた奴らしい。

 何か手がかりになるかもと好奇心が疼き、そっときき耳を立てるが良く聞こえない。

 やはり、老化と言うものをあらためて感じる。

 若い時はこのくらいの事は出来ていたはずなのだが会話がまったく聞こえない。


 生前、かみさんや娘に言われた通り、補聴器を購入しておくべきだった。

 まだまだいけると、見栄を張るんじゃなかったと後悔しても後の祭りだ。

 しかし、微かに聞こえる内容から、恐らく俺にバレた事を怒られているのであろう。時折、小さな悲鳴が聞こえる。



「ずびbっぜんでじだぁ」 とベソかいて戻ってきた彼女まるでは幼子が叱られた後の様に顔をぐしゃぐしゃにしていた。


「まぁ、これでとりあえず拭きな」とさっき出されたボックスティッシュを差し出すと、彼女は鼻をかみ、涙を拭いた。



「ありがとうごじゃいます」


「で、何があったんだ?」


「聞いてたんですか? エッチ……」


「なんでそうなる。第一、俺は先に亡くなったがかみさんがいる」


「それに耳が少し悪くてな、さっきの会話は聞こえんよ」 とは言うがまぁこれは半分嘘だ。

 彼女を見るに怒られた事は間違いない。

 電話越しに謝っている姿が少し見えていた。



「やっぱり、聞こうとしてたんだ。娘さんに嫌われますよ」


「世の中には2種類の人間がいる。 いい父親と悪い父親だ」


「誤魔化しても駄目です」 



 カランッと音とともに「ハローッ、元気かしら?」 と声がし、誰かが入ってきた。

 俺は振り向くとそこには、黒いドレスを着た髪の長い金髪の女性が立っていた。



「あ、ボス!」とバーテンが答えるとにこやかにこちらに近づく、女性から香る香水の匂いと容姿から妖艶が際立つ、どうやらさっき電話で話していたのは彼女なのだろう。



「隣、空いてるかしら?」


「見た通り、空いているぜ。お嬢さん」



「じゃあ、座らせてもらうわ」と躊躇することなく俺の隣に座り彼女が微笑みかけられ、年甲斐にもなく少しドキッとする。

(口説いてみようか) と思ったが、かみさんの顔が脳裏に浮かび、理性がそれを制止させる。

 長い入院生活からの解放で浮足立っているのか、はたまた、今のこの現状の逃避の為なのかは判らないが、かみさん以外の女性にこんな事を考えるとは、やはり、ただの女性ではない事は確かだ。

 かみさんの顔を思い浮かべたことで現実に戻る。



「バーテンが言っていた人ってのはあんたか?」


「そうだけど、その前に一杯もらえるかしら?」


「ボス、何にします?」


「ビールもいいけどマティーニをいただこうかしら?」


「もちろん、ウォッカでなくジンで。ヴェルモットは入れず10秒ステアで」


「いつもの奴ですね。林太郎さんは何にします?」


「さっきと同じ奴を頼む」


「はぁい、お待たせしました」



 注文した酒が出され、いっきに飲み干す。喉が少し焼けるような感覚が、今の自分にはちょうど良く感じられた。



「あら、結構いける口なのね?」


「いいつまみがあるからな」


「私の事かしら?」


「さぁ、どうだろうな」



 女性は俺に近づき、両手でそっと頬をなでて来る。

 誘っているつもりなのだろうか?

 バーテンの方を見ると、頬を赤くしてアワアワしている様子から察するが

 既婚でしかもジジイの俺には少し不快に感じた。

 顔を近づけキスをしようと迫ったところで手で顔を押さえる。

 ムギュと声がしたところで席に座り直した。

 タバコを取りだすとバーテンが火を点けてくれ、タバコをゆっくりと吸い込む。



「おかしいわね。大体の男はこれで落ちるのに私って魅力がないのかしら?」


「魅力がない訳じゃないが俺は興味がない」


「もしかしてそっち系?」


「そうかもな」


「私的にはどっちもいける口よ」 と冗談はさておき。

 そろそろ本題に入るべきだろう、なぜ俺がここに呼ばれたのか、その目的について、話してもらわなければならない。

 向こうで待っているかみさんや仲間に早く会いに行く為に、あらためてなぜ俺がここに呼ばれたかを聞く事にした。。



「ここに呼ばれた理由は一体なんだ」


「そうね。お遊びはお終いにしてそろそろ話すわ」



 雰囲気がガラッと変わり、背中にジワリと汗がにじむのを感じる。

 タバコを吸い落ち着こうとするも気が少しもまぎれない、ジッと見つめられる目が

 先程とは違い、心臓を掴まれるような感覚。

 蛇に睨まれたカエルとはこの事を言うのかもしれない。


「最初に、あなたは先の大戦で私と契約を交わしたのよ」 と言われ、「契約? 何のことだ」とさっぱり、思い出せないが、彼女が言うには、先の大戦時に俺達の部隊が敵の包囲網に絶体絶命の時、俺達、全員が生きて故郷に帰れるようにとの願いを叶えたというのだ。




 確かに、それは覚えているがあの時、味方の援軍がこちらに来て俺達は事なきを得たぐらいだ。


 すると「これが証拠の契約書よ」 と俺に契約書を見せる。


 確かに俺の筆跡だがやはり、思い出せない。


 仮に契約していたとしてももう何十年も前の話でそもそも思い出せるわけがなかった。



「まぁいいわ」と彼女が黒く丸い空間から何かを取りだし、電源を入れ、タブレットを起動する。


「なんなんだこれは?」


「見ればわかるじゃない、タブレット端末よ」


「それはさすがに理解できる」


 彼女は端末のフォルダから契約に関しての俺の項目を開き、動画が再生された。

 そこには、若い俺の姿が、洞窟で爆発音や怒号が響く中、老いた俺の目の前にいる女と会話している中で最後に、契約の記憶を消す内容が話され、動画が終了した。

 その瞬間、あの時の事が全て鮮明に蘇る。


(確かに俺は契約を交わした)


 この女に、「俺達の部隊を故郷に返してほしい」 なるべく不自然な感じがない様に味方の増援に救われる形で助かりたいと自分よりも仲間が助かるようにと願った俺は、結果的に一緒に故郷に帰れるようになった。



「思い出した。 あの時、確かにアンタはそこにいた」


「やっと、思い出したわね。 記憶を消しといて言うのもなんだけど」


「契約は思い出した。対価はどうするんだ?」


 大抵は地獄に連れて行くやら、永遠に玩具となり生き続ける。

 喰われる等が対価と考えられる。

 心底嫌だが、逃げる事は不可能、腹を括ろうと考えながら、もう妻には会えないが、事情なだけに、きっと納得はしてくれるだろう。

 妻との人生や仲間を救うことが出来た。

 これ以上何を望む事があるのだろうか?

 極楽で妻に会えないのはしょうがないが……


「対価は転生してもらう事よ」


「は?」と俺はわけが分からなかった。


「知らない? 最近、流行ってるじゃない」


「曾孫がそんな本を読んではいたのは知っている」


「何でも知っているのね」


「なぜ、俺を選んだ。 目的は?」


「そうね。 世界を救うっていうのはどうかしら?」


「悪魔が世界を救うって言うのか?」


「私にも色々あるのよ。どうかしら行く? それとも拒否する?」


「拒否した場合は?」


「そうね。 魂をあてにしてスピリットでもいただこうかしら?」


(泣けるぜ……)


「わかった。 その依頼、受ける事にしよう」 この悪魔の事だ。嘘は言ってはいないだろう。拒否した場合、どんな仕打ちを喰らうかわからない。釈然としないが、俺は条件を飲む事にした。


「あら、納得してくれたの?」


「抵抗して、無様な姿も期待したんだけれど」 これでも男だ。契約してしまった以上、従わなければいけない事は十分に理解している。


 それなら潔くするのが筋を通す。男とはそういうもの、悪魔が望むような、無様な姿を晒すのは、まっぴらごめんだった。


「いくつか、聞いておきたい事がある」


「何かしら?」


「これまでの俺の記憶はどうなる?」


「あなたの記憶は、消えてなくなるわ」


「それじゃあ、転生する意味が無くなるんじゃないか?」


「重要なのは、あなたの魂よ。それと経験」


「それに、女性の身体に男性の魂に加え、記憶が混在すると大変なことになるわよ」 ととんでもないことを言い出した。転生されるのはまだ納得がいくが、しかし身体が女になるなんて思ってもみなかった。


「何だって? 俺は女になるのか!?」 不満を口にするが「そうよ。 何か問題でも?」 と彼女は、さも当然のごとく、こんな事を言っているが(冗談じゃない) いくら記憶が無くなるからって、そこまで決められるのは我慢ならない


「不満そうね。 でも契約は絶対なのよ。 おとなしく従ってもらうわ」


「当たり前だ。 俺の魂はあんたの玩具なんかじゃない」


 どうやら、この事については、絶対に妥協するつもりはないらしい。その辺が悪魔としてのプライドなのか、趣味なのかはわからないが、黙っていればいい事をベラベラと話すあたり、やはり結んだ契約は、絶対的な物だという事を改めて理解する。


「女の身体にする理由は? それに記憶を消す理由は?」


「それは、私の趣味ね」


「記憶を消すのは、魂が男なのに、逆の性別の身体の記憶があると、色々と理性が効かなくなって、常時、発情期の犬の様になり、大乱交が開催されるわね」女の体については、趣味の一言で片づけられてしまった。記憶については納得がいく。確かに、盛りが付いた犬の様になっては、せっかくの計画がおじゃんになるし、俺の精神が崩壊するのは、火を見るより明らかなのは、間違いない。


「それに、万年発情期じゃ、計画が頓挫するわ。 あと、ホームシックなったら困るじゃない」


「ホームシック?」


「記憶を保ったまま転生するのは、よほど元の世界に未練がないと出来ないわ。 初めは新たな新天地に、胸を躍らせ忘れていても、ふとした時に故郷を思い出し、元の世界に帰れない事に絶望し、自我の崩壊にもつながるわ」と彼女は記憶を保ったままの転生は他にも危険性があることを説明する。


「あとはその世界の技術の話ね。そう、例えば。 病気や怪我に現代なら医者がなんとかするわ。 これから行く、異世界でその事態に、直面した場合どうなると思う? あなたには医療や薬の知識もなく、歯がゆいまま事態を見守るしかないのよ。 それに耐えられるのかしら?」


 今までいた世界とのギャップ、文化の違い、技術力の有無による己の無力さなどが話され、俺は病床の時の妻を思い出した。


 あの時ほど己の無力さを痛感した事はない。


 日に弱っていく妻に何もしてやれず、ただ側についているだけしか出来なかった。


 頼みの綱の医者も、末期となってしまった身体はどうする事も出来ず、ただ側にいる事しかできなかった己の無力さを痛いほど味わった事を……


 バーテンが慰めか「これ、どうぞ」注いでくれたウイスキーをゆっくりと飲み干す。


 喉を流れ、アルコールの感覚が傷心した心を優しく慰める。


 やはり、死んでも思い出されるのは楽しい記憶よりもつらい記憶の方が


 鮮明に思い出される。


「ごめんなさい、つらい記憶を思い出せたみたいね」


「いや、いいさ、もうずいぶん昔の事だ」


「それに、悪魔も謝る事があるんだな」


「私をからかうなんて言い度胸してるわね。 はぁ…… 話しを戻すわよ。次は転生の特典について話すわ」


「特典!?」特典、つまり、転生後につかえるチート的な能力だ。

 記憶と言う対価を失うんだ。(思いっきりチート的な物を要求してやろう) と考えていると「ただし、技術やオーバーテクノロジーは駄目」 先手を打たれ、「そこは何とかならないのか?」と食い下がる。


「ならない、でも聞くだけは聞いてあげる」


「現代の兵器を自由に撃てるようにして欲しい。 もちろん弾数は無制限」 記憶を無くすとはいえ、これから先の事を考えると妥当な線だと思っていたが「俗っぽいこと言うのね。 さっき言ったこともう忘れたの、世界を滅ぼす気? どうして男の人ってこんなのばっかりなのかしら」 と酒を一気に飲み干した悪魔が呆れた。


「じゃあ、どんなことが出来るんだ?」


「はいはい」 と彼女はタブレット端末を操作し、何かを探していた。悪魔のくせに、近代的な物を駆使するってなにかイメージと違う。普通は本や紙を炎の中から出したりするのにとは言うがまぁ、めったにお目にかかれない貴重な体験なのかもしれない。


「記憶は無理でも身に付けた技術の継承はするわ」


「身に付けた技術とは何だ?」


「彼方、銃を撃つが趣味なの?」


「あぁ、そういえばやってたな」銀婚式でアメリカに行った時、観光ついでに入った。

 ガンショップの親父と仲良くなり、それから年に何回か途米して撃ちに行っていたが自分が病気になってからは行く事はなかった。


(葬式にはあのおやじは来てくれただろうか……)


「でも、これは無理ね」


「まぁ、そうだろうな」と少し残念に思う。


「撃つ技術はあっても整備の技術や道具や弾の調達は無理だからな」


「わかって来たじゃない」


「じじいを甘く見るなよ。 若いもんにはまだ負けんよ」


「あら、私の事を若く見てくれてるのかしら?」


「まぁな」特典とは言うものの、あれでもない。

 これでもないと悩みつつ、向こう(異世界)に行った先でも大丈夫な物となると、嗜好品が欲しい所。

 それも絶対に無くならなくて持ち運びが楽な物がいいと考えた結果。


「タバコがほしい」


「こういう時ってこうチート的な物を希望するのに?」


「あぁ、絶対に無くならないタバコが欲しい。 駄目か?」と言うと彼女は少し悩んだ後「まぁいいわよ。ただし条件があるわ」と了承された。


「その世界の通貨をタバコの箱に入れなさい」


「タダじゃないのか?」


「駄目よ。 何事もケジメが大事なのよ。そうね。値段は460円で向こうの通貨で払ってもらうわね」 と気前がいいのか悪いのか筋は通っていたので納得はする。


「それともう一つ、好きだった音楽は忘れたくはない。 それが俺を苦しめる事になってもな」 


「意外とロマンチストなのね」



「そうでもないさ」生前はいろんな曲を聴いた。邦楽から洋楽までお世辞にしても上手いとは言えないが歌う事も好きだった。妻や娘の為に何度か歌った事もあった事を思い出す。その事はもう思い出すことは出来なくなる。男としては未然がましいかもしれない。でも歌を忘れる事はどうしても嫌だった。


「あと一つ、いいか?」


「何かしら? さすがにもう特典はつけられないわよ」


「その事じゃない。かみさんに手紙を渡してほしい」


「いいわ、そのくらいお安い御用よ。レナ、紙とペンを持って来てくれるかしら?」


「かしこまりました」


「ありがとう」俺は紙と便箋を受け取り、筆を走らせる。どうしても出しておきたかった。

記憶をなくし、新たな人生を別の世界で歩むことが、かみさんや、かつての仲間に会うことなく決定され、せめて手紙だけでも届けて欲しい。

俺は手紙にかみさんへの思いと謝罪、そして生前に伝えきれなかった事を書き綴った。やっと会えると思っていたのに予定が急に変更され、怒るかもしれないがまぁあいつの事だ。俺が帰って来る前に娘が先に到着して楽しくやる事になるだろ。書き終わると手紙に封をして彼女に手渡した。


「中身を見るんじゃないぞ。 まぁ見たところで面白くもなんともないがな」


「無粋な事はしないわ。 それより、あなたの無事と成功を願ってるわ。 それと!」


「まだ何かあるのか?」


「楽しかったわよ。 あなたと呑めて。 いつかまた付き合いなさい」




「また逢えたらな。 お嬢さん」 吸っていたタバコを消し、ドアへ向かう。


「いってらっしゃいませ」 とバーテンの声で扉がカチャンと音がし、ノブを少し開き、ロックが外れたことを確認する。



【世の中には2種類の人間がいる。

死んであの世に逝く奴と異世界に転生する奴だ。】


ゆっくりとドアを開けると眩い光が見えるとともに俺の意識は……


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