表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ループ  作者: 蒼和考雪
33/54

loop31 死神の本気

 記憶の問題の解決ができたところであらためて死神打倒に向けて行動する。いつも通り、冒険者崩れの三人を最初に容赦なく葬り去り、今回もこれまで通りのソロ活動だ。

 まず、前の時にできなかった魔銀の回収を早めに行う。以前は魔銀が存在する場所を見つけるのが遅く、フレイ達に会うことになった時は既に半年以上過ぎていた。その分自分が迷宮攻略にかける時間は少なく済んだが、それ自体はそこまでメリットではない。今後も迷宮内で出会えるように彼らの予定に関してはフレイに訊ね、彼らが迷宮で活動している期間を調べておいた。

 ただ、詳しい内容は忘れかけていたのだがパティが内容を詳しく教えてくれたので問題なかった。こういう時のために作ったのが彼女である。四ヶ月もかけて作り上げ、一周回をまるまる犠牲にしたが、彼女は忘れかけたような情報など様々な記憶をバックアップし、これまでの記憶の保存を行ってくれている。自分がほとんど覚えていない情報も覚えてくれていて役に立つ。闇属性だから、性格的に不安だからなどの理由があるにしても、彼女を信用して使っていかなければならないだろう。

 フレイとエリュの迷宮を探索していた期間の記録から、彼らが迷宮内部に入っている期間に自分が迷宮に到達できるように急いで向かう。とはいっても、冒険者になってすぐに向かうのには遠く、武器や防具を揃えるのも大変だが。向かった先、迷宮で前と同じようにエリュに襲い掛かられ、魔術を見せて実力を示し、迷宮攻略を手助けする仲間となる。今回はパティという存在がいるのだが、使い魔作成の難易度を考えると彼らが魔術に関して詳しいと不審に思われかねないので表には出せなかった。彼女に関しては本気で信頼できる相手か、魔術に詳しくなく無理に用いようとしない身の安全を図れる相手でない限りはなかなか出すことができないだろう。

 もっとも、パティの役割の関係上表に出さなくても問題なく役に立つ。精神に寄生している状態で姿を現さなくとも会話できるし、自分に寄生している間は記憶の管理も行ってくれている。そもそも記憶管理などは精神に寄生している時でないと行なえないのだから。表に出なくとも、自分の行動や精神的な事柄に関して相談できるだけでもありがたい。信頼できる相手がいるのはいい。


 迷宮の攻略は順調に進み、最奥でも以前出た巨大魔物を出現させないよう、戦いを工夫し早めに面倒なことにならないよう、楽に攻略を終らせた。魔銀も予定通り回収できてよかったのだが、前回は引き留められるくらいだったのに今回はエリュの勧誘はなかった。

 理由に関しては既にわかっている。前はエリュを護るために行動した、それが彼女にとってこちらに信頼を寄せる一助となったのだろう。それが今回はなかったからだ。そう考えると少し寂しいが、今後は前と同じようなことにはならないようにする。自分の心境よりも彼等の安全の方が優先だ。






 そして魔銀を入手し、以前作成を頼んだのに雪の季節と戦争のせいで戻ってくることができず、結局どんなものを作ってくれたのかも、本当に作れるのかもわからない竜の眠る谷の鍛冶屋に来たのである。今回は流石に回収できるはずだ。


「ようこそ客人。こんな山の上までよく来たな」


 彼が出迎えるのも、その台詞もここに来る時は毎回同じだ。多少何かあったところで結果的にここに来るのは変わらないのでその内容が変わることはないのだろう。なぜかこちらが先に発見されているようだし。エリュも、襲われた時は殆ど内容が同じだったな。


「ここで剣の作成を頼めると聞いたが」

「ああ。ここは鍛冶屋だからな。そういう話を聞いてきたんだろう? ただし、ここでは素材は持ち込みが条件だ。それと普通の金属は扱わない」

「魔銀を持ってきている。作成を頼んでもいいか?」


 そう言って持ってきた魔銀を見せる。抱えるくらいのサイズ、背負うにしても荷車に載せて運ぶなどするにしても、大きさ的にきつい。当然山登りも大変だった。


「……話が早いな。現物があるならすぐに仕事をしてやる。だが、その前に剣を作るのに重要なことをさせてもらおうか」


 そう言って男性は目の前にある建物の中に入っていく。入ってすぐに二つ棒をを持って戻ってくる。そしてそのうちの一本をこっちに投げ渡してきた。


「お前の実力を見させてもらう。武器の扱い方、肉体の経験、今後の成長などを俺と試合して確認させてもらう。構わないな?」

「ああ」


 この内容に関しても変わらない。何故試合するだけで相手に合致する武器を作れるかは知らないが、これをやらなければ作ってくれないようなので精一杯やるしかない。本気で棒を使って試合を行う。本当ならば、身体強化もあわせて使うべきである。普段は身体強化を使っており、使わないことの方が少ないくらいだからそちらの方が正しい。ただ、本当の肉体の強さも確認しておいた方がいいだろうと思い、最初は使っていない。それに関しては前と同じように恐らく怒られると思うが、仕方ない。


「……やめ!」


 予定通り。強制的に試合を中断させられる。それを知っていたのですぐに動きを止めた。


「……おい、全力でやったらどうだ? 本気でやってるのはわかるが、全力じゃないのはお前の戦う姿を見れば容易にわかる」

「魔術を使用しても、構わないか?」

「魔術師か……と言うことは身体強化だな。もちろんだ。全力でやるのならそれでいい」


 魔術を使い身体強化を行う。ここに来るのはいつもはもっと後、前に来た時はもっと肉体が鍛えられた後に来ていたのだが、今の時点ではそこまで強くはない。それでも今発揮できる全力を出して戦った。


「はあ……はあ……」

「実に妙に感じる結果だ。なんというか、自分の行える理想の動きができていないみたいだな」


 以前と言われたことが違った。恐らくは戦闘経験に対してまだ肉体の鍛錬が中途半端だということに関しての指摘だろう。前もこの人と戦ったが、その時も勝てなかった。恐らく死神並、とまではいかなくとも自分よりは死神とまともに戦える実力があるはずだ。


「とりあえず実力も確認したし、剣は作ってやれる。いつできるかはっきりは言えんが……そうだな、一月か二月後にまた来い」


 一月と二月は大きく違うのではないか? まあ、遅い方でいいだろう。早くできているとやきもきするかもしれないが向こうが大雑把なのが悪いのだ。


「あ、次来るときは何か肉の類を報酬代わりに持ってきてくれ。別に武器を作った代金を要求する気はないんだが、ここにいると肉とかあまり食えないんでな。頼むぞ」

「ああ……」


 そんな言葉をこちらに伝え、建物の中へと戻っていった。


『大丈夫?』


 疲労していたのを回復しているとパティに心配された。大丈夫と答え、改めて自分の状況を確認する。やはり肉体を鍛えないと身体強化をしてもあまり強くならないし、戦闘の持続もそこまでできない。前回とは着た時期が違うのでしかたないが、やはり鍛えるのは必須ということだろう。






 山を下り、冒険者として活動しながら肉体を鍛え、およそ一ヶ月半程経ってから頼まれていた肉をもって竜の眠る谷へと戻ってきた。


「来たか。そら、受け取れ」

「うわっ! ちょ、投げてくるな! 危ない!」

「それくらい取れなくてどうする?」


 鞘に入ってすらいない剥き身の剣を投げてくることには正気を疑いたくなる。


「魔銀製の剣だ。普通は硬度などを考え、外側にするか合金にするか迷うところだが、あれだけの量を持ち込まれたなら全部を魔銀で作らなければ失礼というものなんで結構頑張らせてもらった。この剣に魔力を籠めてみろ。魔術師だろう?」


 言われた通り魔力を籠める。魔力を籠める事自体は既に使い魔作成で学んでいるので容易にできる。


「……青く光ってる?」


 剣に魔力を籠めると剣が青い光を纏う不思議な光景を見せる。どこかで見たような気がすると思ったが、死神の使っていた大鎌も死神が本気になった時に光っていたと思う。あの時は黒色だった。


「魔銀は魔力との親和性の高い金属だ。魔力が流れると武器や防具の作り方によるが、強靭さなど武器の能力が向上する。ついでに、身体強化の影響も受けてまるで体の一部のように武器を扱えるようにもなる。魔術師でもあるお前にとってはとても相性がいい武器だろうな」

「……実戦でどれだけできるかやってみないと分からないけどな」


 武器のスペックがどれだけのものか語られても、実際扱ってみなければどうなるかわからない。


「それもそうだ。それはもうお前の物だ。好きに使うといい」

「そうさせてもらう。それと、これは代金替わりの肉だ。ここに置くぞ」

「おお、悪いな!」


 早い。走って一瞬で地面に置いた荷物がかすめ取られた。どれだけ楽しみにしていたのだろう。






 そして戦争の日がやってきた。


『スィゼ、大丈夫?』


 流石にパティもこの状況は緊張するところなのかこちらの心配をしてくる。もっとも自分にとっては毎回の事。今回はパティもいるし、武器も準備出来た、肉体を鍛えるのも十分できている。本気中の本気、全力中の全力、最大の力と言える。今回こそ死神との戦いに勝利で決着をつけたい。

 冒険者の間、その隙間を気付かれないように縫って進み最前へと向かう。死神は真正面から一直線に来る。もう死神と真っ向からぶつかる場所へと来るのにも慣れたものだ。

 戦争が開始する時間、感覚的になるがその直前くらいに身体強化を使う。自分の感覚だと本当に感覚的だが今回はパティもいるので時間はより正確に把握できる。戦争の開始時間は毎回変わらないからわかるようだ。


『始まるよ! 全力なんだから剣の方も強化しようね!』


 もちろんわかっている。ただ、剣を強化すると青い光を纏うので不審に思われるかもしれないのでぎりぎりまではできない。まあ、魔力を籠めるのは手間ではない。身体強化を使っていれば勝手に行われるのでわざわざ意識する必要性はない。剣を抜くだけでいいのだから。


『来たよ!』


 パティが叫ぶ。同時に戦闘の合図、どれが先なのだろうか。パティ、死神、戦闘開始の合図。

 一気に前へと飛び出してきた死神とそれに向かって最前から前へと出る自分、両者の武器である大鎌と長剣が交錯する。甲高い金属音が鳴り響き、武器同士が衝突する。死神の力にも力負けはしない、武器も十分持つようだ。逸らす必要性もない。

 攻撃を受け止めるといつも見ることのできる、死神のきょとんとした驚いたような表情。もうこれも見慣れたものだ。複数の火の魔術、並列した火の玉を作り死神へと向ける。死神は魔術を感知できるので、当然回避を行う。ただ回避するだけではない。その回避の動きに合わせて大鎌の動きを攻撃へと転化して来る。

 その大鎌の攻撃を逸らし、魔術を避けた彼女へと近づき剣を振るう。避けた直後ならば隙がある、と思う所だが斬りこんだこちらの攻撃を死神は大鎌の柄で受け止めた。


「っ!」


 こちらの攻撃を対処した上、近づいたこちらに対し拙い蹴りを放ってくる。その蹴りに技巧はないが威力だけは十分存在し、そこまでダメージはないが少し吹き飛ばされる。蹴りで押し出されると同時に少しそれに合わせ後ろに下がる。そこに死神が大鎌を振るってきた。相手の体勢があまり良くないからか、普段の大鎌の勢いはない。振るってきた大鎌を避け、押し出された感じの態勢を直す。

 短い攻防、その後の一瞬の間。すぐに死神は次の行動に移る。軽く地面を蹴ってこちらへと一気に駆けてくる。いつの間にか持っていた大鎌は消えたように見える。だがすぐに姿を現した。器用なことに片手で柄の端を持って後ろからくるりと大鎌を回してきたようだ。大鎌の重さを考えるとあり得ないとしか思えない動きだが、よくできるものだ。

 攻撃事態は持ち方が不安定で受け止めやすい。不意打ちに近い攻撃だが、彼女との戦いも慣れたものでこういった奇抜な攻撃は何度も受けて知っている。全力で対抗し、大鎌を弾き飛ばしたいところだが、その前にもう片方の腕で柄を持ちなおし、弾き飛ばすことは出来なかった。

 とはいえ、現状の大鎌の持ち方は安定していないはず。隙としては短い一瞬のものだとしても、一瞬あれば十分。一気に近づき、安定しないままでも振るってくるだろう大鎌の攻撃を防壁の魔術を作ることで対処する。


「っ!」

「なっ」


 だが死神の動きは予想外の物、足元を蹴り上げてきた。単純に蹴りを放ったわけではない。地面の土を、蹴り飛ばすことでこちらに対し撒き上げてきたのだ。砂でも、土でも、物として存在しているのだから死神並の蹴りだと少しは威力がある。目に入ると視界が奪われ危険だし、服の中にでも入れば集中力も削がれる。

 咄嗟に全力で地を蹴って死神の頭上を飛び越える。そして着地したと同時に死神に向けて後ろから剣を振るう。後ろから、とはいっても咄嗟の回避直後の攻撃で当たるとは思っていない。やはり死神の振るった大鎌と衝突する。少し力負けしそうで危うかった。

 しかし、ここで流れを戻してはいけない。大鎌をうまく剣で受けながら体勢を変えて死神の懐に潜りこむ。リーチは相手の方が上だが、逆に近づくことができればこちらの方が有利になる。


「ふっ!」

「っと!」


 こちらの動きに合わせて剣を流し、死神へ剣を足元から斜めに斬りあげる。手空きになった大鎌を死神は地面に突き刺して、自分は地を蹴って飛び上がる。その動きに合わせ、大鎌を空中で地面に突き刺した状態から地面を抉って振るおうとしてくる。もちろんまともに受けるつもりはない。その攻撃を躱して追尾の性質を持つ魔術を出して撃ちこむ。数は二十程、連続で。


「っ」


 連続での魔術攻撃、それも追尾してくる魔術攻撃は回避しようがない。ゆえに、撃ち落とすことに専念したところを自分は魔術とは逆側から攻め込む。


「はあっ!」

「うお」


 こちらが近づくと死神は足を軸として大鎌ごと一回転した。遠心力も伴って大鎌の威力がやばい。受けるのも厳しそうで近づけない。そして魔術の攻撃も回転の攻撃で撃ち落としている。小器用な。


「ふっ!」

「のっ!?」


 そのまま二回目の回転に入ったかと思うと、一気にその流れのまま飛び出してきた。スケート競技で氷の上を滑って跳んだかのように、しかも大鎌を持っている状態でだ。予想外の動き、勢いもあって逸らすのは難しいため受けるしかなかった。そのまま吹き飛ばされそうになるが、足を地面に押し付けて何とか少し押し動かされる程度で済ませた。力関係は拮抗……いや、やはり向こうの方が強いだろう。


「おおおおっ!」

「っ!?」


 剣に魔力を籠めて抵抗する。身体強化の影響だけでも十分強化されているはずだが、より能動的に魔力を籠めて強化する。うっすらと青く光を纏っていた剣の光が強くなり、少しだけ死神に力で圧し勝てる。剣の強さが上がっているはずだなのに力が強くなるのは奇妙な気がするが。


「っ!」

「くっ!」


 力で負けると判断したのか、大鎌ごと一気に後ろに下がる。仕切り直しだ。


「ふう……ふ、ふふふふ、ふふふふふふふふふふ」


 死神の雰囲気が変わる。周囲の空気が重くなった気がする。凄く楽しそうな表情だ。怖い程に。


「あなた、強いんだ」

「そこまででもない」

「そんなことないよ。私とまともに戦えるんだから強いよ」


 自画自賛……とは言うまい。死神も自分の強さが他と違ってとんでもないのは理解している。だからこそ、まともに戦える相手は強いとはっきり言えるわけだ。


「そう、お前に勝てるとは思えない。だから強いとは言えないだろ」

「本当にそう思ってる? 違うよね。勝つつもりで戦ってるもん。戦えばわかる。勝つつもりだって、私を倒す気だってね…………うん、本当に……楽しいね、ふ、ふふふ」


 ふるふると死神が震えだす。彼女と剣を交えているからある程度、なんとなくわかる。今の彼女は歓喜している。何度もやり取りしているからわかる。


「ずっと、強い人と戦いたいと思ってた。自分と同じくらい、自分に勝てるかもしれないくらいに強い人と。だから、勝つつもりなのに強くないって言ってほしくないな。最初も、こっちの攻撃を受け止められて本当に驚いたんだよ?」

「……そうか」


 こちらは死神の動きに注意をしなければならない。緊張もあって話し続ける、話をすることに意識を向けるのが難しい。明らかに相手の方が格上、対等に戦うだけの強さはあっても、死神を超えるだけの強さはこちらは持ち得ていない。それが戦いの中で実感できてしまっている。


「もう。少しはお話しようよ……でも、戦ってるんだもんね。仕方ないのかな」


 死神が大鎌を構えなおす。こちらの剣と同じように、大鎌が黒い光をうっすらと纏う。


「全力で、来て。もし……もし、私に勝てたのなら、私に勝てたのなら。私の人生、私の命、私の心、すべてをあなたにあげる。私を超えてくれた人に」

「…………何でそんなことを」


 何故、そういうことを言うのか。それが気になった。自分を倒した相手に従う、何故そんなことをわざわざ言うのか。


「私よりも強い人なんていないから」


 その言葉は自分の強さへの自信の表れではなく、どこか一人の寂しさがあるように聴こえた。


「さあ……行くよ!」

「っ!」


 死神が動き出す。黒い光を纏った大鎌が、死神の全力の一撃が振るわれる。かつて見た暴風のような大鎌の一撃、叩きつけるような攻撃を、自分は防ぐのではなく逸らすように受けるが、衝撃が酷く逸らしてもきついうえに、攻撃をするたびに威力と速度が上がっている。剣はこれだけ受けてもまだ余裕があるように感じられるが、自分の方が力負けしている。


「ぐっ!」


 徐々に受け止められなくなってくる。逸らすことができるうちはまだいいが、受け止めるしかなくなった時、それ以上はもう受けられなくなる。


「あ」


 攻撃を仕掛けようがない。防御で手一杯、魔術を使う余裕すらも嵐のような連続攻撃の中では使いようがない。攻撃を受け続けた剣を持つ手に痺れが生まれてきて、ついに力負けして剣を弾き飛ばされた。そして剣を失った自分に向けて死神が大鎌を振るった。

 最後に見た彼女の表情は、俺を倒したことを喜ぶものではなく、何かを失ったような寂しさを含んでいるように見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ