表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ーとある少女の  ー  作者: 幸城萌音
1/3

1両目 始まり

あおい、ソラをみた



遠くまで続き、透き通ったソラを



その蒼に浮かんでる、私



透き通った、綺麗な蒼に。私はいつの間にか浮かんでいた



蒼に浮かんで、蒼に囲まれて、蒼に包まれて、蒼に、蒼に、蒼に



自分の心臓の音が、一際大きく聞こえた



そして、恐怖が、歓喜が、憧れが、苛立ちが、安心が、不安が、悲しみが









一度に押し寄せた感情の波は、とまらなかった











「あ…あ…ああ、あああああ…ああああああああああああああああああああああああ」



泣いた、叫んだ、嘆いた。自分の声が枯れるまで。自分の魂を声に注ぐかのように



何を感じているのかわからない。何を思っているのかわからない。なのに叫びはとまらない



天に向かって叫び続けた。すべてをうけとめながら。受け止めきれない感情に狂いながら



苦しい、苦しい。苦しくて、苦しさが溢れて、溢れて、くるしくて、くるしくて、


『       』



ただただすべてがあふれて、あふれて、とまらなくて。少女はそれをとめる手段は知らない



もう、頭が真っ白になって。その感情の波に身をゆだねようとして




『お姉さん。乗ってく?』



頭の中に、その声は響いた。感情の波が一気に消えた



「あ…ああ……え…?」



『大丈夫かーい?ボク、今そこに向かってるから。待っててよねー?すぐにつくからさ♪』



ガタゴト、ガタゴト



声が聞こえなくなった瞬間、どこからか電車の音がした



音のほうを見ると、空の中を走っている電車がこっちの方へ走ってきていた



轢かれるのか、今から。あの電車に



そう考えて、一瞬死の恐怖がわきあがってきた。・・・だが



「もう、どうだっていいや」



声はもう枯れていた。でも、どうだっていい。あの電車に、轢き殺されて終わるんだ



汽笛の音が響いた。さぁ、終わろう。すべてを、終わらせよう



私はまたあきらめて、目を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風を感じた

 













 

 

 

 

「ねぇねぇ、ボクのお客さん候補のお姉さん。ボクの列車に乗ってく?」



「・・・え?」



電車は私の期待を裏切って、私の横にとまっていた。窓から一人の女の子が顔を出している


いきなり引いた感情の波。空を走る列車。それに乗っている少女


突然起こった数々の出来事に、私は思わず固まっていた


「乗ってくの?乗らないの?」


この電車は、彼女のものなのか。というより、どこへ向かう電車なのか



「お姉さーん?早く決めないと、ボク行くよ?」


そう言われて、ようやっと思考停止が終わった


ずっとここにいるよりかは、乗せてもらった方がいい。それに、いつこの浮遊が終わって、落ちるかわからないし


その思考に至った瞬間、私はすぐに彼女に向かって叫んだ


「え、えっと、の、乗ります!の、乗せてください!!お願いします!!」



私がそういった瞬間、その子ははじけるような笑顔を浮かべた



「本当?!わかった!じゃ早く行こう!早く出発しよう!!」



そして、その子は指を鳴らした


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ