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第五十二話 金魚鉢と大阪
新章スタートです。今度の舞台は大阪！
無防備な姿をさらすことに抵抗がなかったわけじゃない。
変わらない関係に、わずかにもどかしさを覚えたのも嘘じゃない。
それでも、なんの利害関係とか、いやらしさとかない時間がもの凄く楽しくて、毎日が満ち足りていて。
ずるずると続く、友人のような家族のような関係。
でも。
彼のあんなにも怒った姿を初めて見た。
え、と思った瞬間頭と腰を掴まれて、全身で呼吸する徹さんに抱きしめられた。
耳元で響く荒い呼吸に、思考停止したのは仕方がない。
力強い腕の中を知ってしまった。
