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金魚鉢とわたし  作者: aー
金魚鉢とわたし
27/73

おまけ 変人は変態だった

第一章おまけです。

あかりにドン引きされる徹をお楽しみください!


「あかりさん。これは・・・」

「特別よ、とーるちゃん。透子に写真奪われたんでしょう?」

 一枚の写真をひらひらとさせながら、あかりは二ヤリと笑った。

「で、でも・・・またバレたら」

 そう言いながらも徹の目は写真に釘付けだ。

「いるの、いらないの?」

 ふふふふふ・・・と怪しげな笑いを浮かべるあかりに、徹は生唾を飲み込んだ。

 まだあどけない表情の透子が、制服を着て水族館で笑っている写真のようだ。高校生ぐらいだろうか? しかし幼い印象をぬぐい去れない。透子も可愛いが、場所もたまらない。ライトの灯りに反射してキラキラ輝く水槽が美しい。もう犯罪的だ。

 徹の手はいつの間にか写真をつかみ、大事そうに胸にあてていた。至福の時のようにだらしない顔をしている。そんな彼を見てあかりはまた笑う。

「とーるちゃん。これからもよろしくね?」

 徹もその言葉に満面の笑みを返した。

「もちろんです。こちらこそ、よろしくお願いします」

 彼らの結束は、犯罪的写真によってさらに深まった。

「・・・ところでとーるちゃん。その写真どうするの? また見つかったら・・・」

 あかりはふと聞いてみた。その質問に彼は恥ずかしげもなく答える。

「この前は財布に入れていて、それが落ちてバレてしまいましたので、今度は警察手帳ににはさんで持ち歩きます。これなら絶対落としませんからね」

 さらっと、太陽のように眩しい笑顔で言う徹に、あかりははじめて写真を渡したことを後悔した。



 こいつ、本当に変態だったんだ・・・と。



 こんな男に気に入られている親友に心の底から同情した。

 その親友が、その事実に気付くまであと数日。

 彼は終始幸せに浸っていた・・・・・


次から第二章に入ります。

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