おまけ 変人は変態だった
第一章おまけです。
あかりにドン引きされる徹をお楽しみください!
「あかりさん。これは・・・」
「特別よ、とーるちゃん。透子に写真奪われたんでしょう?」
一枚の写真をひらひらとさせながら、あかりは二ヤリと笑った。
「で、でも・・・またバレたら」
そう言いながらも徹の目は写真に釘付けだ。
「いるの、いらないの?」
ふふふふふ・・・と怪しげな笑いを浮かべるあかりに、徹は生唾を飲み込んだ。
まだあどけない表情の透子が、制服を着て水族館で笑っている写真のようだ。高校生ぐらいだろうか? しかし幼い印象をぬぐい去れない。透子も可愛いが、場所もたまらない。ライトの灯りに反射してキラキラ輝く水槽が美しい。もう犯罪的だ。
徹の手はいつの間にか写真をつかみ、大事そうに胸にあてていた。至福の時のようにだらしない顔をしている。そんな彼を見てあかりはまた笑う。
「とーるちゃん。これからもよろしくね?」
徹もその言葉に満面の笑みを返した。
「もちろんです。こちらこそ、よろしくお願いします」
彼らの結束は、犯罪的写真によってさらに深まった。
「・・・ところでとーるちゃん。その写真どうするの? また見つかったら・・・」
あかりはふと聞いてみた。その質問に彼は恥ずかしげもなく答える。
「この前は財布に入れていて、それが落ちてバレてしまいましたので、今度は警察手帳ににはさんで持ち歩きます。これなら絶対落としませんからね」
さらっと、太陽のように眩しい笑顔で言う徹に、あかりははじめて写真を渡したことを後悔した。
こいつ、本当に変態だったんだ・・・と。
こんな男に気に入られている親友に心の底から同情した。
その親友が、その事実に気付くまであと数日。
彼は終始幸せに浸っていた・・・・・
次から第二章に入ります。