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東方熾天録  作者: 飯田匠
澪編
6/15

5話「託された力」

澪「ん...ここは...?」

澪は見慣れない所に立っていた。見渡すとそこは荒れ果てた教会の中だった。澪の目の前に見知らぬ少女が座っていた。


???「貴女は誰?」

澪「え?」

突然声をかけられたのでびっくりした。


澪「私は熾天 澪。貴女は?」

???「私?私は...メタトロン。」

澪「め、メタトロン!?」

澪は驚いた。メタトロンって天使の名前だよね!?どうして此処にって言いたかった。


澪「メタトロンさん、私をどうしてこんな所に?」

メタトロン「貴女に、力を与える為よ。」

澪「力?」

メタトロン「ええ。...貴女、力が欲しいと思わない?」

澪「!?」

澪はいきなりの質問に驚いた。


メタトロン「貴女は思わないの?自分には力がないって感じた事ぐらい。」

澪「あるわ。私には力が無いって事は。」

メタトロン「そう。それなら、私の力を貴女に託すわ。でもその代わり...。」

澪「?」

メタトロン「死なないでね。約束よ?」

メタトロンはそう言うと、身体が輝きその光が澪の身体に入っていった。そして澪の意識は闇へと落ちていった。












???「澪.....きなさい....なさい...!澪!」

澪「ハッ!!」

咲夜「昼食の準備が出来たから起こしにきたんだけど、起こしても起きないから心配したわよ。」

澪「すいません、疲れてしまったのでつい...。」

咲夜「先に顔を洗ってからにしましょうか。そっちにあるからサッパリしてきなさいな。」

澪「は〜い。」

咲夜の人差し指が示す先に、自室の壁の色を少し薄くしたような色のドアがあった。そこが洗面所なのだろう。

ドアを開けて見渡すとそれ程狭くない空間に洗面台と洋式トイレがポツンとあった。

洗面台に向かい、蛇口を捻って水を出す。

蛇口から流れる水に手をつけてみると、ひんやりと、冷たく気持ちよかった。

手で水を掬うようにし、自分の顔を近づけつつ被せると眠気ぐが抜け落ちて行く感じがして目が冴えわたるようになった。

一息つけると、横から咲夜がタオルを差し出してきたので、受け取って顔の水滴を拭い取るように拭いた。

澪「すいません、咲夜さん。」

そう言いながら、水気を吸ったタオルを咲夜に返した。


咲夜「構わないわ。また案内するから遅れないようについてきてね。」

無機質な返事だが、澪は今までの対応よりは若干だが柔らかくなっているように思った。



少女移動中...



そういえば初めて紅魔館に来た時も思ったが、紅魔館は広すぎてまるで迷路のようだった。

澪「はぁ〜...。」

澪の無意識な溜め息に、咲夜はめざとく反応して呆れた表情を作る。


咲夜「溜め息をつかないの。貴女がそんな表情だと、お嬢様の機嫌を損ねてしまいます。」

澪「で、ですよね...。」

咲夜「これから、紅魔館の住人の一人として生活するんですから、明るくいきませんとね。」

咲夜は優しく澪に言った。澪はその言葉の一つ一つが胸の中に染み込んでいった。


咲夜「さぁ、入って。皆待ちかねてるわ。」

咲夜が横手にドアを開けて、中に入るようにと促す。言われた通り部屋の中に入ると、食卓のテーブルには既に何人かが集まっていた。

上座には、館の主であるレミリアが。

そのレミリアから見て右の方にパチュリー、更に彼女の隣には、レミリアと同じ蝙蝠の羽と似ている形を二対持った赤毛の少女。(よく見ると頭にも一対あった。)

右の席にはチャイナドレスのような服を着た少女が座っていた。


レミリア「ようやく来たわね、澪。待ちくたびれたわ。」

さして大きくない声ではあったが、広大な部屋に朗々と響きわたる。

それは、紅魔館の主としての貫禄が見せるのか、それとも吸血鬼としての威風がみせるのか。

澪には、小さいはずのレミリアがとても大きい存在に見えてならなかったのだ。


レミリア「これで揃ったわけだし、早く食事にしましょうか。...咲夜。」

咲夜「今、お持ちさせます。」

咲夜が軽く手を鳴らすと、別のドアから妖精姿のメイド達が食器を次々と運んでくる。

一通り食事は運び終わったらしく、メイド達の姿が視界からいなくなる。


レミリア「それじゃあ、頂きましょうか...。」

そう言うと、皆は昼食を食べ始めた

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